この秋の過ごし方がトラックバックのお題。そう、なぜか今年は新しいことにチャレンジしたくなっている。何か日本中にそういう空気があふれているように思う。それはとてもいいことで、やっと長期的な上昇の基調に入ってきたのかもしれない。いや、何かはやりのスピリチュアルなことを言っているのではなく、単純に日本の景気の話だ。
 『日はまた沈む』という本を書いて日本のバブル崩壊と長期低迷を予測したことで有名なビル・エモット(英エコノミスト誌東京支社長だったかな?)がつい最近「日はまた昇る」といい始めた。不良債権の処理が終わった、雇用熱が高まっているなど明るい材料が多いという。それを裏付けるように、10月14日の日経新聞に銀行が不良債権処理のために投入されていた公的資金の返済がほとんど終わったという記事がトップに出た。日経お得意の「景気がよくなるぞよくなるぞ」というあおり記事かとも思ったが、銀行の業績が好調なのは事実らしい。そろそろバブルの再燃かなどという記事が、週刊ダイヤモンドあたりで踊っている。株、土地といった資産がバブル化し始めているというのだ。中古マンションの相場も上昇。
 どうやら本物らしいと思うのだが、一方『下流社会』という本が売れている。アクロスという渋谷パルコのマーケティングを手がけた雑誌で長く分析をやってきた三浦展氏の本。要は、無理に背伸びしないということらしい。この伝でいくと青山、上智の女子大生じゃなく、地元の大学でいいや、という志向が強くなっているということになる。少子化にあえぐ、わが大学も大丈夫かとこれまた希望が出てきた。もし、景気の本格回復が本物で長期的な上昇の基調に入ったのだとすると、「下流志向」はやがて「バブル志向」に変わるだろう。うちの大学もプチおしゃれの線でいくべきかもしれない。なんて、今まで考えもしなかったことを思考する事自体、ここ10年なかったことだ。
 この秋は、そんな何か新しい予感の中だが、今日など夕方から随分寒くなった。もう晩秋の気配だ。