ソルジェニーチン
番組は、アレクサンドル・ソルジェニーチンという老人にスポットを当てて進んでいく。
全く知らない人だったが、後で聞くと、ノーベル文学賞を受賞した人らしい。
国を追放され、20年後に許されて戻り、国を憂い続ける姿に番組のスポットが当たっていた。
心に残った部分がある。
ソルジェニーチンは、ソビエトを批判して国を追放された。
その後もソビエト解体の一助を担ったという。
しかし、その後西欧のコピーの民主主義の導入には反対したそうだ。
これまで自由をとことんまで規制されていた人々に、突然自由を与えても、人々はうまく立ち回れない。
多くの人間が困惑し、貧困に身を落としていく。
かつてのコルホーズに代表される農村共同体的な部分を残しながら、社会主義と民主主義の間を進む、そんなロシアの姿を夢見ていたようである。
極東の我々から見ると、「えー、ロシアって完全にヨーロッパでしょ」というイメージだが、彼らからするとヨーロッパの西洋諸国とは違うようだ。
ロシアは、東欧なのだ。
現在の民主主義は、アメリカ、西洋諸国で生まれた物で、そのままのコピーの導入は文化の違うロシアではうまくいかない、と考えたようである。
先日読んだ本の部分に、こんな箇所があった。
「グローバル企業で仕事を進める上で、重要になる三つのキーワードに関してお話ししておきます。
まず、世界中で製品を販売する際に考慮すべきポイントにグローバリゼーション(Globalization)があります。
(中略)
2番目に考慮されていなければならないポイントとして、ローカリゼーション(Localization)があります。
例えば、自動車の左右ハンドル仕様やコンピュータの多言語対応など、その国でビジネスを展開する上で必須であり、万国共通ではないが「その国には必須の仕様のための対応です。」
(P88 「外資で結果を出せる人 出せない人」 山本 賢治著 日本経済新聞出版社,2011年)
ロシアが進んだ道は、このグローバリゼーションであろう。
一つの万国共通の考え方のひな形になる物があり、それを全世界に浸透させていくやり方だ。
多くの企業がこのやり方でビジネスを進めていく。
僕の会社と例外ではない。
僕らが作ったルールを諸外国(全世界!)の人々に敷衍させていこうとしている。
ソルジェニーチンは、このグローバリゼーションに反発した。
ロシアにはロシアの文化があり、歴史があり、価値観がある。
それは、西洋の文化とも違い、西洋の歴史ともちがい、その価値観も異なる。
そんな土壌の所に、西洋の文化に根ざした民主主義がうまく入り込むはずがない。
ロシアには、ロシアにあった民主主義があるのだ。
その考え方に、僕は正直強い共感を覚えた。
僕の担当している地域=アフリカは、アメリカとも、中国とも、南米とも、東南アジアとも、中東とも、そして勿論ヨーロッパとも違う物を持っている。
人も違う、歴史も違う。
汚職にまみれ、民族同士が対立し、はたまた違う民族同士が集合して国を作り、小さい経済の中で暮らしている。
日本のやり方をそのまま持ち込んだって、うまくいくとは限らない。(勿論うまくいく可能性も否定は出来ないが。)
そこの人々に合わせたビジネスのやりかたがあると思うのだ。
ソルジェニーチンの考え方が、ふっと心にとまった今日この頃でした。
