友へ。



 君は今、どうしているだろう?

 風の噂に乗るでもない君のことだ。
 またどこかで、ひっそりと過ごしているのだろう。


 わたしは相変わらず、学舎にいる。
 君の予想通り、子どもたちに囲まれた賑やかな毎日だ。
 子どもは苦手だと言っていたあの頃には、思いもしなかったことだ。



 君は、どうだろう。
 相変わらず一人だろうか?

 飄々とした君が選ぶ女性を想像したが、巧くいかなかった。
 君はやはり、理解しにくい。

 もちろん、嫌いではないけれど。



 そう。
 君は理解しがたい。

 だが、良い奴だ。
 困ったことに、わたしは君を嫌いになれなかった。
 だからこうして、君のことを書き綴っているのだろう。



 君は嫌がるだろうか。
 余計なことをしたと、怒るだろうか?

 いいや。
 君は微笑んで、何も言いはしないだろう。


 君が怒るのは自分のためではない。
 君は自分のために自らを守ることをしない。

 君は誰かのためでないと本性を現さない。
 君はいつだって、自分を見せなかった。
 隠し続けた。

 ……誰にも。






 我が友よ。

 わたしは語ろう。
 君のことを。

 わたしを友と呼んでくれた君のために。
 自分のために何もしない君のために。
 わたしが君のために語ろう。

 我が敬愛すべき友を―――