両手を見て男は愕然とした。

(汚い……!)

 地面に落ちた枝を拾っていけばそうなることはわかりきっていた。
 だが現実を見ると許しがたいものに映る。

 体が震えた。
 怒りだ、これは。
 この現実を招いたものへ対する激しい炎のような憎しみが胸を占める。

 完成させなければ、と男は思った。
 なんとしてもこの任務を成功させなければならない。
 そうでなければ自分の立つ場所すら見えなくなりそうだ。

 俄然、男の動きが機敏になる。

 枯れかけた倒木の周囲に枝を積み上げていく。
 低木から枝を切り落として箒代わりに、落ち葉を倒木の周囲にかき集める。
 仕上げとばかりに用意しておいた油をかけ、倒木からほかの木へ道を作るように撒く。

 息が上がった。

 仕上げだ、と男は呟いた。

 その手には石が二つ握られていた。