数日後、レセリアナの元に二通の書状が届いた。
一通は祖国から。
国から移籍する許可が王印とともに記されたいた。
もう一通は。
「申し訳ありません、閣下。この字はなんと読むのでしょうか?」
レセリアナはイルスに二通目の書状を見せた。
そこには記号のような羅列があった。
「おそらく古語だろう。前に見たことがある。
陛下にお聞きしよう」
二通目の書状を手にした主はしばらくして、微かに笑んだようだった。
「北の法王からの書状だ」
『風の魔女の子に命ず。
砂流れる地にて生命の滴りを守護せよ』
「風の魔女……聖女様のことですね」
「そうだ。その子孫であるおまえに、砂漠の水を守るようにとの命だ」
「砂漠の……。それでは、レセリアナに砂漠にいてもよいと言われているのですか?」
主はうなずいた。
「イルス。すぐに〈水守〉につなげ。
魔女がくる、と」
「はい!」
イルスは大急ぎで書状をしたために走った。
イルスが去った後、窓からするりと黒い影が滑り込んだ。
「いかがでした?」
「数日中に始まるでしょう」
魔導士・ハッサムの言葉にうなずきながら彼は眉を寄せた。
「陛下……?」
「レセリアナ。おまえは歴史に詳しいか?」
「え……。
自国のことでしたら、人並みには」
「そうか…………」
言いよどむ彼の替わりに魔導士が口を開く。
「魔女の子レセリアナ。覚えておくといい。
魔導士とは今を守護するもの。そして僧は明日を、魔女は昨日を守護する。
我ら三族のなかではときおり、意見が一致するときがある。
百年ほど前にもあった。
王位交代劇───。
数日後に、サース国で行われるだろう」
「え……」
一通は祖国から。
国から移籍する許可が王印とともに記されたいた。
もう一通は。
「申し訳ありません、閣下。この字はなんと読むのでしょうか?」
レセリアナはイルスに二通目の書状を見せた。
そこには記号のような羅列があった。
「おそらく古語だろう。前に見たことがある。
陛下にお聞きしよう」
二通目の書状を手にした主はしばらくして、微かに笑んだようだった。
「北の法王からの書状だ」
『風の魔女の子に命ず。
砂流れる地にて生命の滴りを守護せよ』
「風の魔女……聖女様のことですね」
「そうだ。その子孫であるおまえに、砂漠の水を守るようにとの命だ」
「砂漠の……。それでは、レセリアナに砂漠にいてもよいと言われているのですか?」
主はうなずいた。
「イルス。すぐに〈水守〉につなげ。
魔女がくる、と」
「はい!」
イルスは大急ぎで書状をしたために走った。
イルスが去った後、窓からするりと黒い影が滑り込んだ。
「いかがでした?」
「数日中に始まるでしょう」
魔導士・ハッサムの言葉にうなずきながら彼は眉を寄せた。
「陛下……?」
「レセリアナ。おまえは歴史に詳しいか?」
「え……。
自国のことでしたら、人並みには」
「そうか…………」
言いよどむ彼の替わりに魔導士が口を開く。
「魔女の子レセリアナ。覚えておくといい。
魔導士とは今を守護するもの。そして僧は明日を、魔女は昨日を守護する。
我ら三族のなかではときおり、意見が一致するときがある。
百年ほど前にもあった。
王位交代劇───。
数日後に、サース国で行われるだろう」
「え……」