「涙ってなんでできてるか知ってるか?」
「えん」
「まぁ待て待て待て。成分を訊いてんじゃない。そんな話は聞き飽きた」
飽きるほど質問したんだなマイ・フレンド。
「こうもっとだねぇ、オカザキくん。なんていうかぁ、ロマンチックな表現はないのかね」
何者だおまえは。
「今さぁ、アサキちゃんがコピー考えてんのよ」
「こぴー?」
「宣伝文句」
「あぁ。ライター志望だったね、彼女」
「そう! そこでだ、演劇部から素晴らしい表現がないかって聞かれたらしい」
ほう。
「でも彼女的には出し尽くしたけどいい案が浮かばんそうなのよ」
へぇ。
「そこでだオカザキくん!」
何だよ。
「おまえだったら、なんていう?」
「えぇ! 自分で考えろって。おはち回すなよー。アサキちゃんが頼まれたんなら、アサキちゃんが考えればいいじゃん」
「冷た! 寒い! おまえの友情はその程度か!!」
その程度です。同じセミナーなだけだし。
たしかにアサキちゃんは小柄でキューティクルヘアで、ちょっと化粧が濃いけどコロンの選びはバッチグー。お嬢さん系の服は似合ってるしサンダルもかわいいの持ってる。
でも、だから何?
ライター志望なら脳みそひねり出して考えろ。そんなんで飯食おうなんて百億年早い。
冷めかけたコンビニ弁当。食べ飽きた。明日は自分で作ろうなんて考える。
テレビはつまらない。でも消したら会話のない空気が気まずい。
「なぁ」
「うん?」
「おまえ、誰のためなら泣ける?」
いきなり方向転換ですか。
ムカツク。
アサキめ。もう代弁してあげない。
「あたしの涙はね、あんたのド鈍感でできてんの」
「は?」
「あんたが他の女の話すると出んのよ」
「……え?」
「ほら出てきた」
指先に涙をすくって見せる。アサキちゃんみたいにべっとりマスカラつけないし、風呂上がったばかりで化粧すらしてないから、正真正銘涙だけ。
「責任とって、明日デートね」
呆けたやつの唇に、しょっぱい涙を塗りつけた。
「えん」
「まぁ待て待て待て。成分を訊いてんじゃない。そんな話は聞き飽きた」
飽きるほど質問したんだなマイ・フレンド。
「こうもっとだねぇ、オカザキくん。なんていうかぁ、ロマンチックな表現はないのかね」
何者だおまえは。
「今さぁ、アサキちゃんがコピー考えてんのよ」
「こぴー?」
「宣伝文句」
「あぁ。ライター志望だったね、彼女」
「そう! そこでだ、演劇部から素晴らしい表現がないかって聞かれたらしい」
ほう。
「でも彼女的には出し尽くしたけどいい案が浮かばんそうなのよ」
へぇ。
「そこでだオカザキくん!」
何だよ。
「おまえだったら、なんていう?」
「えぇ! 自分で考えろって。おはち回すなよー。アサキちゃんが頼まれたんなら、アサキちゃんが考えればいいじゃん」
「冷た! 寒い! おまえの友情はその程度か!!」
その程度です。同じセミナーなだけだし。
たしかにアサキちゃんは小柄でキューティクルヘアで、ちょっと化粧が濃いけどコロンの選びはバッチグー。お嬢さん系の服は似合ってるしサンダルもかわいいの持ってる。
でも、だから何?
ライター志望なら脳みそひねり出して考えろ。そんなんで飯食おうなんて百億年早い。
冷めかけたコンビニ弁当。食べ飽きた。明日は自分で作ろうなんて考える。
テレビはつまらない。でも消したら会話のない空気が気まずい。
「なぁ」
「うん?」
「おまえ、誰のためなら泣ける?」
いきなり方向転換ですか。
ムカツク。
アサキめ。もう代弁してあげない。
「あたしの涙はね、あんたのド鈍感でできてんの」
「は?」
「あんたが他の女の話すると出んのよ」
「……え?」
「ほら出てきた」
指先に涙をすくって見せる。アサキちゃんみたいにべっとりマスカラつけないし、風呂上がったばかりで化粧すらしてないから、正真正銘涙だけ。
「責任とって、明日デートね」
呆けたやつの唇に、しょっぱい涙を塗りつけた。