日々は鬱々と過ぎる。
庭先の陽射しは庇に阻まれ地面だけを照らす。土が白い。青白い肌までは届かない。
地面は午後には人肌よりも熱くなる。裸足では歩けない。
白い土の上を歩きつづけて干乾びることができるのなら。誰にも見つからず陽射しに焼き尽くされることができたら。
草履を履いていても足の裏から熱さが這い上がってくる。陽射しの眩しさに目を細めても、空を見上げることはできない。
「ハル、どこ行くん?」
伯母は土間で胡瓜を漬けていた。家の裏には細々とした畑がある。
「浜に」
「家おれ」
「退屈なんです」
「よかけん、家おれ。まだ浜な行かれん」
「おばさん」
「甘かもんば作ってやっけん。家おれ。な?」
伯母は優しさという迷惑をちらつかせる。これ以上わがままを言えば手をとって家に押し込む覚悟だ。
そして伯母は自分も家にじっと篭もる。大切な子どもを見張るために。
大切な───金の種を。
庭先の陽射しは庇に阻まれ地面だけを照らす。土が白い。青白い肌までは届かない。
地面は午後には人肌よりも熱くなる。裸足では歩けない。
白い土の上を歩きつづけて干乾びることができるのなら。誰にも見つからず陽射しに焼き尽くされることができたら。
草履を履いていても足の裏から熱さが這い上がってくる。陽射しの眩しさに目を細めても、空を見上げることはできない。
「ハル、どこ行くん?」
伯母は土間で胡瓜を漬けていた。家の裏には細々とした畑がある。
「浜に」
「家おれ」
「退屈なんです」
「よかけん、家おれ。まだ浜な行かれん」
「おばさん」
「甘かもんば作ってやっけん。家おれ。な?」
伯母は優しさという迷惑をちらつかせる。これ以上わがままを言えば手をとって家に押し込む覚悟だ。
そして伯母は自分も家にじっと篭もる。大切な子どもを見張るために。
大切な───金の種を。