「ハル」
 靴を履く伯父が呼んだ。

 伯父は無口だ。
 子どもたちが騒いでも、普段は特に気にすることはない。
 機嫌が悪いときはすぐわかる。騒ぎ出した子どもたちを無言で殴る。子どもたちはいつも青あざが絶えない。ものの落ちる音が絶えない。

「はい」
「もちょっと外には出んな」
「…………」
「浜にもガタクタん流れてきて危なか」
「勇作たちは行っています」
「船に乗る代わりたい」
「片付けているんですか?」
「…………。あぁ、そうや」


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