「ハル」
 庭で大根を干している伯母が呼んだ。

 伯母は無害な人だ。
 夫に逆らわず、子どもに与えられるだけのものはやる。自分が手にするのは夫が気が向いたときにくれるものと、子どもたちが残したもの。

「はい」
「あん子はどうね?」
「誰ですか?」
「…………カイネさ」
「どうって?」
「……元気しとんね」
「このところ会っていません」
「そうね」

 伯母はため息をついたようだった。


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