
『伯爵と妖精 3 プロポーズはお手やわらかに』
(はくしゃくとようせい 3 プロポーズはおてやわらかに)
谷 瑞恵
集英社(2005.03.10)
挿絵:高星 麻子
内容:(紹介文より)
妖精と話ができる少女リディアは、口説き魔でいわくつきの過去を持つ伯爵エドガーに雇われる妖精博士。
ある日、彼女の元に野の花の妖精が現れた。青騎士伯爵であるエドガーを妖精女王の花婿として迎えに来たのだが、花婿に渡すはずの“月”を盗まれてしまったというのだ。
同じ頃、リディアの故郷から獰猛な妖精ケルピーがやってきた。リディアは彼にプロポーズされたことがあって……!?
感想
「お父さん。今まで育てていただいて、ありがとうございました」
なんていわれたら、今までの苦労なんてなんのその。
でも、
「わたし、明日結婚します」
なんて台詞は絶対聞くもんか言わせるもんかチクショウ! と思う一言でしょう。ね、お父さん。
副題がなんと、『プロポーズはお手やわらかに』。
お父さんどうするよ、もう。プロポーズだよぷろぽーず。
リディアがプロポーズされたことがあるということだけでも驚きなのに、当の求婚者がやってきました。そして口説き魔伯爵エドガー氏にも、気の長い求婚者(のお使い)がやってきたのです。
お屋敷はもう大変……と思ったんですが、リディア以外はのほほんとしています。慣れてるんでしょうか、求婚者なんて。さすが誑し伯爵。経験値が違いすぎます。
そして人生の先駆者・カールトン氏。
娘の晴れの舞台のために奔走したかと思えば、ネクタイ一本決められず。亡き奥さんとの熱烈な過去を暴露し、動揺したエドガー氏に釘をさすという大業を果たす。娘の一大決心ならばと涙を飲みつつ、暴飲。
なんてすごいんだろう。
一番何がすごいって、あのエドガーに釘をさしてチクリと痛みを覚えさせたことです。
さすが影の主役。
エドガーの過去が徐々に形をハッキリと現しだします。
根っこの部分は変わらないけど、けっこうカワイイやつだなんて思ってしまいました。しまった、はめられた!
二人の距離も形を変えながら微妙に近づきつつあります。
リディアは、いつか本当に三つ指付いて「お父さん、今まで……」とか言うんでしょうか。なんかちょっと想像できない。
お父さん、どうするよ?
2005.09.01-02