従姉妹は笑い転げた。
 これが結婚を控えた乙女の本性だろうか?
 男爵に言うべきだろうか。その前に自分も気をつけよう、とイルスは思った。

「おめでとう、愛人第一号!」
「笑いことじゃない!」
「だっておかしいもの」
 ケロリと言われ、イルスは立ち直れそうにない。
 淑女の危機には即座に助けにくるのが紳士だという女なんてこんなものだ。

「跡取りなんていいじゃない。陛下は長生きなんだし、心配ないわ」
 確かに主は恐ろしいほど長生きだ。
「わたしのほうに問題がでる」
「弟がいるわ」
「婿入り先が決まった」
「お兄さまに貰えば?」
 その手もあるか。

 納得している場合ではない。

「国家規模の問題なんだ」
「公表して対策法でも募集したら?」
 彼女が王なら、さぞかし大らかで開けっ広げな国柄になるだろう。

「今だけかもしれないわ。しばらくしたら気が変わるかも」
「……」
「今はお淋しい陛下にお付き合いしたら?」

 女なんて!


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