
『西風の皇子(ディディウス)』
(せいふうのでぃでぃうす)
喜多 みどり
角川書店 (2003.12)
挿絵:宮城とおこ
内容:(紹介文より)
大帝国の皇子ディディウスは、ひょんなことから、女神メイヴェーラを自分の身体に同居させることになってしまった。意識を失ったりすると、身体を好き勝手にメイヴェーラに使われてしまうが、ディディウスは気に入らない。そればかりか、ディディウスは、すべてを滅ぼす力を持つという<種>にも身体をむしばまれてしまう。
魔法使いダークロア、琴弾きミューシカを仲間とし、種をめぐる戦いにいどむディディウスだが――!?
感想
謎の魔法使いダークロアと、怪しいおかまミューシカのコンビが巻き起こす、愛と勇気と我儘三昧自分勝手ファンタジー第二弾です。
先巻でラヴ・エンドした主役たちはどこへ行ったのやら(恐らく婚前旅行に行かれたと推測する)、サブメインたちに押し退けられ(新婚旅行になんて行くからさ)、姿形もありません(家族旅行に以下同)。
続きのようで、新たなストーリー。
新鮮なようで、懐かしいワールド。
おかまに懐かしさを覚える日がこようとは思いもしませんでした。世の中のおかまさんたちに対して思惑はまったくございませんが。
見知らぬ場所で、変な男に見つめられるなか目覚めた主人公・ディディウス。喋る動物と向き合っているところを、謎の魔法使いに無理やり連れ出される。
なんと自分は一年半も眠り続け、しかも女神が自分と同居し、自分はまた種に食べられかけているという――言葉を少し省くだけで物凄く壮大になるお話です。
やっぱり感情の描写が巧いのです。メイヴェーラの淡い想いとか、もうそこだけ空気が薄桃色。
情け容赦ないように見せかけて結構優しい最後なところも、ミューシカが相変わらず掴めない性格でイラ立つのもイイ感じ。また、神様連中ががやっぱり我儘勝手身勝手駄々っ子で、主役たち、いえ、人間とってはいい迷惑です。
ところで。
ダークロアおじさんはどうも、女性のことで落込まないといけない体質みたいです。
2005.07.19-20
:『天空の剣』