「おい、テル。土産だ」
「はぎゃわおうぃえー!」
 けたたましい叫び声がこだました。
 椅子から立ち上がったテルは背中を押さえ、転げまわる。

「おい、ミヤ。土産だ」
「えうおっちゃつおらいぇー!」
 ミヤも雄たけびを上げ、シャツの裾を引き出そうともがく。
 隣同士だった二人は踏み、蹴られ、転がされながらも叫び続ける。まるで動物園か幼稚園ができたような騒々しさ。

「カヤピーは大福な」
「あら、ありがとう」
 カヤさんにはそっと丁寧に大福アイスが差し出された。

「おーい、タダぁ! 食っちまうぞぉ」
 マツさんがチョコバナナアイスを振ると、どこからともなくタダさんが飛んできた。空中でチョコバナナアイスを捕獲し、一回転して着地したときにはもう包装を開けている。
 侮れない。
 事務所はいつのまにかサーカスになっている。

「トーコ、ほら」
 イチゴ味のカキ氷(バニラアイスつき)。

「んー? ジュンとツタピーがいねーなー」
「ジュンちゃんはさっき出てったわよ。すぐ戻るんじゃない? ツタピーはデートだって帰ったわよ」
「ニコもか?」
「あら。さっきそこにいたのにねぇ。トーコ知らない?」
 首を横に振ると、まぁいいか、とマツさんは袋から抹茶アイスを取り出して台所へいった。

「おいしーわねー、トーコ」
「うん」
 カヤさんの足元では、二体の生き物が息も絶え絶えアイスを食べている。服の背中にいれられたので、ちょっと溶けたようだ。

「おわ――――!!」
 台所からマツさんの叫び声。
「バカニコてめぇ何オイヤバイってぇ!!」

 ニコはどうやら、冷蔵庫に潜んでいたようだ。


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