(らんばい ちっぽけないのりのゆくえ)
内容:(紹介文より)
人間の成長速度が狂った社会--。通常の倍速で成長する「短期型」と全く老化しなくなる「停止型」の症状が現れ、混乱の中、宗教などのよりどころを求める者が増加していた。
ビデオジャーナリストで「停止型」の発症者である椎名勇は、ある宗教団体の潜入取材がきっかけで、昔の同級生と再会した。同じく「停止型」で、国内テロ対策機関に勤める真木匡吾。
彼と関わった直後、椎名は何者かに襲われる
感想
なんとなく手に取って、読まずにしまいこんだ本のうちの一冊です。探し物をしていて、ふと目に付きました。なぜ買ったのか考えました。
そう、副題が気に入ったのでした。
「ちっぽけな祈りの行方」
なんだか好きです。
解明されないまま前世代の発症が確認された「障害成長」。
ある者は異常な早さで成長・老化するため「短期型」と呼ばれ、対照的に、知らぬ間に老化が止まった症状を「停止型」と呼ぶ。
訳もわからずなく発症した人々は、早い解明に期待するか、諦めるか、または神に身を委ねるか--。
ファンタジーやSFではよくある不老と、対照となる老化を病として織り込んであり、なかなか味のある世界ができています。
ム○ミンは出てこないのでSFに分類されるんでしょうか。ゴブリンじゃなくておっさんがたくさん出てくるんですが、それでもやっぱりSFでしょうか。
S(素早く)F(老ける)なのかな。
主人公・椎名がとっても元気で、同じ場所でも飽きない行動をするのが印象的でした。楽天的というか、能天気というか。無謀というか。
で、相棒(?)となる真木さんがまた、彼を冷たくあしらってくれます。あしらいつつ、椎名に突っつかれて動揺するのがおかし……いや、不憫です。
ストーリー上に必要ない背景はほとんど顔を出さず、本線の寄道を防ぎつつチラつくのでとても気になりました。
絶対何かあるとわかるのに、本線には関係ないからと、椎名と織野ちゃん親子の関係とか、椎名の仕事仲間のこととかすっぱり切られています。察してくれ、とでも言うのでしょうか。読んでいれば、なんとなーくわかりますが。
嬉しいような、イラつくような痒さ。
不老という王道の設定を持ちながら、神憑り的な終わりはないのです。
とても人間的な一言で終わります。
2005.06.19-20
