伯爵と妖精 あいつは優雅な大悪党

谷 瑞恵
集英社 (2004.3)
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内容
 妖精博士の看板を掲げるリディアの元には、これまで一度たりとも依頼はない。しかし亡き母の思い出を忘れないため、また人と妖精の梯になりたいという思いを胸に、「変わり者」の名を甘んじて受けていた。
 ある日、父から手紙で呼ばれたリディアはロンドン行きの船に乗り込むが、怪しげな青年に攫われてしまう。エドガーと名乗った彼はなんと、リディアに依頼を持ち掛けてきたのだが……。

感想
 ど壺ジャストミートなタイトル。ど壺にはまってどっぴんしゃん。
 内容をストレートに要約してあります。これ以上何か説明がいるだろうか?
 いるね、うん。伯爵が日々妖精の悪戯に悩まされ、とうとうハゲてしまうお話なんだ、と思う人もいるかもしれない。「地主と妖精 あいつは無知な禿頭」というタイトルならそれでも間違っていないけれど、美貌の伯爵が夜な夜な髪の毛を毟られるお話はどうかと思う。
 喜劇だ。
 それもちょっと楽しいかも。<ぇ

 さて。
 妖精たちが御伽話の中に追いやられた時代。
 主人公リディアは妖精の姿を見、彼らと話すこともできます。はたから見れば独り言のたびに笑い、怒り、あたかも何かがそこにいるような素振りをするので「変わり者」のレッテルをいただいていています。
 頑固で正直でお転婆でお人好しの彼女は、それでも妖精博士の看板を掲げるのです。見えるものを無視したり、悪循環をそのままにしておけない性質だから。……ある意味苦労人かもしれません。
 そんなリディアが事件に巻き込まれます。
 が。
 伯爵は主人公ではないんです。彼はあくまで怪しげで格好良くて嘘つきで社交的な依頼主。

 伏線も沢山。
 特にプリンス。いかにも僕を詰ってと言い出しそうなネーミング。

 そしてお父さま。
 仕事一徹天然パパ。素直すぎて涙が出そうですお父さん。

 以上、この男三人衆がたぶん何かやらかしてくれます。絶対です。
 ボスはお父さんです。きっと。だって、あのリディアのお母さんの旦那ですから。並々ならぬパワーを秘めてますよ。研究以外はダメ人間っていうのはカモフラージュだ!

 楽しみ。

2005.05.09