角川書店 (1998.3)
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内容
それは突然のことだった。
交通事故で母を失ったポネットは、妻を失った苦しみから逃れようとする父により叔母の家に預けられる。大好きな母親と二度と会えないということが信じられないポネットは内に籠り、なんとか母親を呼び戻そうとする。その姿は周りを不安にさせ、苛立だせるものだった。
それでもポネットは一人、孤独に母親を待ち続けた。
感想
出会ったのは数年前です。
愛らしい少女のきゅっ、と引き締められた唇に気を引かれて手に取りました。そのときは、紹介文を読んで、今は重たいのは読みたくないなぁ、と手放しました。あれから数年のあいだ、何度も目にしてきましたが、なんとなーく先延ばし。
今回、初めて読んだわけです。
厚みは薄いんです。
この中に幼い少女の成長が書かれているなんて信じ難いと思いました。主人公ポネットは、大切な人形ヨヨットとともにどんな冒険をするんだろう、どんなふうに書かれてるんだろうとドキドキしました。
父母とポネットの三人家族から突然母が抜けてしまいます。
でもポネットにはまだ『死』がどんなものかわかりません。ポネットが大好きな母、ポネットも大好きな母が、自分をおいていってしまうなんて信じられないのです。お祈りして待っていれば帰ってくると信じて疑いません。
死を受け止めるだけの余裕もないのは、ポネットだけではなく、大人も同じです。ただ、ポネットは(多少偏りはあるけれど)自分なりに理解しようとします。
このひたむきさは羨ましいほどです。
さまざまな意見を自分勝手に解釈しているようで、実は誰よりもストレートな思考の持ち主なのかもしれません。
各場面ではポネットを取り巻く周囲に同調しました。素直で頑固な子がはっきりと存在しています。
また、他の子のわけのわからない行動、言動もリアルです。
惜しむらくは、山場がいまいち。ファンタジックでなく、リアリズムなままで通してほしいなぁ、と思いましたね。
納得できない最後でしたが、本当に最後のあの一言--あれはよかった。
好きです。
2005.04.25-26
