(ですぺらーど 4 めるせです・べんつ)
著 者:柏枝 真郷
発 行:1993年8月
発行所:光風社出版
内 容:
クラークの視界を黒い物が遮った--それは何の変哲もない殺人事件。気に止めるような特徴も共通点もない二つの事件は、徐々にその影のみを現していく。
ぼんやりとした手掛かりしかつかめず、次第に行き詰まり、事件は暗礁に乗り上げる。とうとう、三人目の被害者が出た。
それは、事件をさらに複雑にするものだった。
感想:
例え話をしよう。
両手を縛られ、身動きができない。硬い椅子に座っているようだ。
目の前には針がある。
糸が針穴に向かう。通らない。
何度も繰り返される。
せっかく通ったのに、目を閉じてしまい、視線を戻した時には糸は抜かれたあとだった。
--てな感じで非常に苛ついた。
一部完結です。
今までとは違い、犯人も最初から犯人として登場します。おかげで人が多く、語る人まで増えて少し読みにくかった。
回想も多いなぁ。読点も増えた気がするぁ。
犯人とデスたちの接点が交わらないのがもどかしく、読手以外に真相が明かされないままに終わるのがとても尾を引きました。固いおせんべいをガリガリ食べたあとにくる、顎の疲れみたいな。
その後が気になるけれど、デスには他に重要なことがあるから、放って置かれます。もうちょっと突っ込んであげてよ、と言いたくなりますが、気持ちがわからなくもない。事件を追っている間いろいろと悩み事があったようですし。
トニーとも進展したような、ちょっと基礎に戻ったような。大人になったような、大人にこれからなるような……。
読みにくいと思いながらも止まらなかったのは、糸が通りそうで通らなかったからかもしれない。
でも、針は折れてしまった。
もどかしい!
2005.02.19