『陰陽ノ京』
 (おんみょうのみやこ)

著 者:渡瀬 草一郎
挿 絵:田島 昭宇

発 行:2001年1月
発行所:メディアワークス 電撃文庫

内容:
 慶滋保胤は、陰陽道の名門・賀茂の名を捨て、文章道を選んだ。呼び戻そうとする周囲をよそに、文章生として勤め、かたわら、耳にした魑魅魍魎を性分からして放っておけない。
 師匠・安倍晴明の依頼も結局は引き受けることになり、そうとは知らず事件の渦中に向かう。

感想:
 表紙を見て、少女趣味な青年かと思った。
 ビックリです。

 陰陽師を書いた本は沢山ありますが、これもその一冊。
 ただ、今までと違うのは、一週間の間に数冊読み上げるわたしが、特別繰り返して読んだ一冊です。一週間で連続四回ほど読み直したでしょうかね。
 というのも、最後のシーンが気に入ったからなんです。でもそこだけ見ると面白くないので、最初から読んでお気に入りを味わったわけです。そこに行き着くまでに何度も何度も読み直して、そのつど感想が変わっていきました。
 そういう意味では、とても貴重な一冊でした。

 慶滋保胤。
 陰陽の名門・賀茂家の次男坊ながら、身内たちとは別の職に就いています。学者一家の次男坊が司書になり、でも探求心は捨てないようなものでしょうか。
 小耳に噂を挟むと放っておけない性格。のほほんとしていながらやることはやる。鋭いようでいて鈍い--そんな人。

 他に、お馴染みの安倍晴明、賀茂忠行、保憲など。灰汁があって癖が強そうな面々ながら、主人公の地味なくせに存在感のあることに驚きます。全然、食われてないんですね。
 皆の意識が頻繁に保胤にいくおかげか、彼はいつも、ちゃんと中心にいるんです。普段の行いがこうも効き目あるものだとは。

 精進せねば。


2005.03.13-14

『空ノ鐘の響く惑星で』
『空ノ鐘の響く惑星で 2』
『空ノ鐘の響く惑星で 3』
『空ノ鐘の響く惑星で 4』
『空ノ鐘の響く惑星で 5』