『御宿かわせみ 9 一両二分の女』
 (おんやどかわせみ 9 いちりょうにぶのおんな)


著 者:平岩 弓枝

発 行:1990年5月
発行所:文芸春秋

内容:
 毎年の常客だった商人が忽然と消えた。不思議なことに商売先には顔を見せているから、いつもの宿はとっていないだけなのか? だが御宿かわせみで待ち合わせた仲間が現れないという事件が起こる。
 東吾と小さな旅籠の女主人るい、二人に当てられっぱなしの八丁堀同心・畝源三郎たちが、江戸の下町で情溢れる人間関係に出会う捕物帳。

感想:
「むかし昔の」
 あっちもこっちもボケ老人に悩まされています。
 これまで生きてきたなかで一番印象的なものを思いだすのは、そうやって忘れないようにしたいからでしょうか。歳を取ると寂しくなるって、忘れたものが多すぎて思い出に浸れないからかもしれません。

「黄菊白菊」
 やって良いことや悪いことの加減を教えるのは難しい。でも教えなければ最後は我が身とその子に返ってくるんです。
 かわいいと思うなら痛みも惨めさも教えるべきではないですか?

「猫屋敷の怪」
 三味線ってすごい。あんなに丈夫だなんて知らなかった。

「藍染川」
 ドラマ化されてとても印象に残っていた話です。
 悪い人間ではなくても、適材適所で振り分けられれば居場所すら無くなってしまうんですね。
 めげないでね。

「美人の女中」
 近頃の若いモンはと言いますが、言ったあなたが若い時も同じような事言われませんでしたか? いつだってしたたかな人はいますよ。

「白藤検校の娘」
 映画で「座頭市」有名になりましたね。
 座頭という姓の市さんではなく、職業での座頭という官名(階級)です。盲人のために設けられた制度で、そのほかに勾当、検校、衆分があります。江戸時代では名字帯刀は武士身分を象徴し、たまにそのほかにも許されましたが、まだそこまで緩くありませんでした。
 いや、ご存知なら別に良いんですが。

「川越から来た女」
 るい並にじゃじゃ馬。
 きっと素敵な婿殿を捕まえてくれるでしょう。

「一両二分の女」
 最近の女性は強い。
 そこの旦那。たまには古女房のところにまっしぐら帰ってください。


2005.02.12

『御宿かわせみ 1』
『御宿かわせみ 2 江戸の子守唄』
『御宿かわせみ 3 水郷から来た女』
『御宿かわせみ 4 山茶花は見た』
『御宿かわせみ 5 幽霊殺し』
『御宿かわせみ 6 狐の嫁入り』
『御宿かわせみ 7 酸漿は殺しの口笛』
『御宿かわせみ 8 白萩屋敷の月』