DESPERADO 3『鎖の封印』
 (ですぺらーど 3 鎖の封印)


著 者:柏枝 真郷

発 行:1993年2月
発行所:光風社出版

内容:
 妻は夫の共同経営者と同棲し、夫は息子に刺されて重症を負い、息子は二度目の自殺を図った。離婚間近だったこの親子の事件に一体なんの不思議があるというのか? 偶然か必然か、息子の二度目の自殺未遂と同夜、病院から男が一人脱走していた。
 朝から義父の不吉な言葉を聞いて苛立っていた探偵デスは、半ば無理やり休業中の看板を下げることになる。

感想:
「BALL AND CHAIN」
 これは囚人の足に繋いであるあの鎖のことだそうです。あぁなるほど、重りと鎖ね。

 嫁さんは、元同級生で仕事仲間でもあった男と不倫して同棲してしまい、気難しい息子に殺されかかった旦那というのはどういうものでしょ? 息子も何を思ってか二度も自殺未遂!

 今回もまた複雑な家庭にかかわってしまった探偵デス。
 入院中の恋人に毎日会いに行きますが、スカスカの会話しかできず、指一本触れられません。あれから臆病になってしまったんです。
 ぶこつでがさつで臆病なんて……頑張れデス。負けるなおっさん。それでもなぜかモテるんだからあんまり凹んじゃダメだ。でも、ビールばっかり飲んでると下っ腹が出るからやめなさいね。

 子どもの頃に埋め込まれた知識というものはなかなか消えず、その後の成長にも影響するようです。
 大人の薄暗い欲に囲まれ利用された彼もまた、囚人の重りを着けられていたようです。あるはずのないものだからこそ、実際よりもずっと重たかったんではないでしょうか。
 今後どのようにして成長し、どんな大人になるのでしょうか? 足枷を外すことができるでしょうか?
 せめて一つでも幸せと思うことを見つけられたらと思います。


「HOME AGAIN」
 トニーの回帰。と勝手に解釈してみる。
 これはデスと暮らすようになって半年したころのお話ですから、「BALL AND CHAIN」の半年とちょっと前ですか。冬ですね。

 お引越ししたことがある人には経験があるかもしれませんが、生まれたところ、育ったところが故郷ではなく、自分にとって帰りたいと思うところが故郷です。私自身も生まれ育った場所はもうありませんので、どこかに決めたいなー、と思っているところです。
 トニーのように一度育った土地を踏んでみるべきでしょうか? そうすればどこか思いつくかもしれません。

 故郷(HOME)に戻って、改めて我が家(HOME)に帰るのも良いかもしれない。

 
2004.12.27-28
2005.02.04-05


DESPERADO 1『時が過ぎゆきても』
DESPERADO 2『サマータイム』