『御宿かわせみ 8 白萩屋敷の月』
 (おんやどかわせみ 8 しろはぎやしきのつき)


著 者:平岩 弓枝

発 行:1985年9月
発行所:文芸春秋

内容:
 与力を兄に持つ東吾は、兄から知人への使いを頼まれた。若い未亡人に見惚れた東吾は、その美しい顔にあるものに気付いて驚く。
 東吾と小さな旅籠の女主人、二人に当てられっぱなしの八丁堀同心・畝源三郎たちが、江戸の下町で情溢れる人間関係に出会う捕物帳。

感想:
「美男の医者」
 平岩センセイ、そのまんまですよ。

「恋娘」
 どんなわがままであろうと、アホであろうと、バカであろうと、骨が見えるほどすねを齧られようと、子どもというのは親にとってはわが身の全てを動かすほどの存在なんでしょうか。
 いろいろと考えさせられた一話です。

「絵馬の文字」
 なんというか、親の鏡といいましょうか、真の大人といいましょうか。普段の行いがわが身に帰ってくるというのは本当なんだな、と思いつつ、ちょっと涙。

「水戸の梅」
 産みの親より育ての親。下ろしたての新品革靴より履き潰した汚いスニーカー。
 火遊びするより、古女房と蕎麦でも啜ってみませんか、お父さん?

「持参嫁」
 仕事の腕では良いけど臆病なお医者さん。診てもらいたくない。注射のとき手がプルプル震えてたらもう怖くて逃げ帰るね。

「幽霊亭の女」
 おれさ、いっときはグレてたけどさ、お袋がさ、ホラ、もう歳だろ。一人息子だしよ、いつまでも拗ね齧ってらんねぇなって思ってよ--と彼のココロの声が聞こえたけど気のせい?

「藤屋の火事」
 幸せは近くに転がってるかもよ、と。
 上ばかり見ていても見つからないんだね。

「白萩屋敷の月」
 恋ってのは甘く切なく苦いものだね、あんちゃん。

2005.01.23