『エルゼリオ 遠征王と薔薇の騎士』
 (えるぜりお えんせいおうとばらのきし)


著 者:高殿 円
挿 絵:麻々原 絵里依

発 行:2002年1月
発行所:角川書店 ビーンズ文庫

内容:
 パルメニア国王アイオリアの愛妾の席が一つ空いていた。これはいけないと思った国王は、八人目の愛人探しのため、薔薇の騎士を各地に送り込む。薔薇の騎士の一人に選ばれた婿養子ジャックは、道中で相棒のガイと再会する。ガイは王の愛妾探しの話を聞くと、自慢の娘にぜひ会ってほしいと言い出した。
 しかしそこではすでに、積年の恨みと裏切りによる、争いの火種がくすぶりだしていた。

感想:
 お供の愛犬ジャックとともに、オリエさんはまたもや遠征です。
 さすが遠征王。愛妾のためにどこまで行くのか!

 積年の恨みとは恐いものですね。いつもはおとなしい人が怒ると非常に恐いのといっしょで、いつも怒ってる人より恐ろしい。ぜひお近づきになりたくない。

 無国籍の流れ者が迫害を受けるというのは、日本でもありましたね。
 わたし自身はありませんが、わたしのご先祖様あたりでは日常茶飯事だったんではないでしょうか。小さい頃は他県の人と話を合わせるのに苦労しました。使い慣れている言葉が通じないうえに、教科書で迫害があったところだと知ってショックを受けたものです。

 そういう意味では、この本で迫害されている人たちの心情……というほどではありませんが、気持ちがそちらに傾きました。このくそ親父! とか思ったものです。

 横道に逸れましたね。

 気持ち一つで何ができるだろうか? 何を許して何を真実とするのかな?
 裏切られたことはとても悲しいでしょう。虐げられてきた怒りは簡単には消えないでしょう。でもどこかで同じ思いがあれば、悲しさも怒りも和らぐのではないでしょうか。

 ちょっと真面目ね。

 コック軍団は今回も大活躍です。
 いつか主役級に!
 なったら恐い!


2005.01.23-24

『そのとき翼は舞い降りた』
『そのとき鋼は砕かれた』
『そのとき君という光が』
『ジャック・ザ・ルビー 遠征王と双刀の騎士』