『天空の剣』
 (てんくうのぐらでぃうす)


著 者:喜多 みどり
挿 絵:宮城 とおこ

発 行:2003年9月
発行所:角川書店 ビーンズ文庫

内容:
 突如として海水は酸と化し、津波が押し寄せ多くの生き物と土地を焼き、飲み込んだ。一年ほど経った今でも酸の海は大地を侵略し続け、人を追い詰めようとしていた。
 傭兵のノクスと相棒の魔法使いダークロアは、乱暴で激情家な女剣士ウィルゴと出会う。おかしな求婚者に追いかけられ旅から旅への彼女に同行し、捨てられた都市を目指す。
「わたしは世界なんて、どうでもよかった」
 ウィルゴは一体、何をしようとしているのか?

感想:
 あっさりかっこいいタイトルに引かれてふらふらと手にした一冊です。デビュー作だそうです。

 文体はどこというほど目立ったところもなく、普通にさらさら読めます。可もなく不可もなく。どこが良いかといわれれば困るくらいに平均的だな、と思いました。
 あえて言うなら設定や、キャラの感情でしょうか。
 無理やり捻じ曲げたようなものは感じられず、そうかこの世界はこんなんなんだな、と素直に納得できます。神様がやけに感情的で大雑把な人たちで楽しかったです。

 怒ってばかりの主人公ウィルゴとノクスの声にならない会話では、ウィルゴは感が強いという点を覚えておかないと納得いかないかもしれません。わたしだったらきっと会話が進まないでしょう。
 三者三様でかぶったところもなく、怒り方も笑い方も違い、世界よりも大切なものも違います。 世界中が大変なことになっているのに、そんなことはどうでもいいと言い切ってしまう人たちです。あっさりしているわけではないんですが、もっと重要なことがそれぞれにあるのです。
 みんな苦悩中。

 お互いが大切にしたいと思っていて見事に食い違ってしまったという、悲しいお話。

 その後もなにかありそうな終わり方でしたね。


2005.01.20-21