『勿忘草の咲く頃に』(わすれなぐさのさくころに)
著 者:沖原 朋美
挿 絵:紺野 キタ
発 行:2004年6月
発行所:集英社 コバルト文庫
内容:
両親の離婚をきっかけに、七瀬は転校した。友達もすぐにできたが、今ひとつ仲間外れな感は解消されない。地元の人間なら誰でも知っていることを七瀬はまだ知らないのだ。転校してきた理由も言えないでいる。
ある日、クラスメイトの男の子と花壇を挟んで話をした。それがきっかけで、七瀬は彼とよく話すようになり、一緒に帰るようにまでなる。でも彼には、どうしてももう一歩が踏み込めない。ときどき会話が止まってしまう。クラスメイトたちに囲まれる彼の姿に違和感を覚える。
彼にもっと近づきたいのに--。
感想:
キレイなお話です。
転校先でちょっと孤独感の拭えないヒロインと、幼馴染たちと一線を引いている男の子のお話。
なんと言うか緻密で、細かな描写がみっちりでした。びっちりあったらうんざりするけど、読むのに苦痛がないくらいの詰まりよう。
たぶん、時間をちゃんと区切って、余計な部分を入れていないからだと思います。激甘のケーキだけど小ぶりな感じ。これで延々と語られたら閉じるよ、本。
孤独な二人がお互いに歩み寄ろうかどうしようかと悩むんですが、主人公・七瀬の視点のみなので、彼がどうしているのかは最後までわかりません。読んでるほうもドキドキです。
なぞのクラスメイトなんてミステリー(ファンタジー?)な感じですが、そんなことはないんですね。彼自身は普通の少年です。
設定がわかるにつれて「あー、田舎なんだね」とか思ったんですが、本当にそうかはわかりません。歴史が地元の人に浸透しているんですが、どうでしょうか。
最後はもっともっと盛り上がるような気がしました。
書きなれた頃に沖原さんは、このラストを読んでどう思われるでしょうか?
2005.01.14