降誕祭。
聖人が贈物をくれる日。
今日はニコに呼ばれていて、彼の家に三時ごろ行くことになっていた。
お昼近くになって家を出て、近くのコンビニに入った。お昼ごはんにチョコを練りこんだパンとヨーグルトを買ってレジに行くと、カウンターでお姉さんが書き物をしていた。わたしに気づいてどけたところを見ると、仕事を終えたコンビニの店員さんらしい。
空いたカウンターから、ひょっこり聖人が現れた。
わたしはかなりがっかりした。
聖人はやせっぽちの青年だった。
降誕祭の聖人といえば赤いズボンの上から肉がはみ出そうなくらいの出っ腹で、短い脚、ぽっこり盛り上がった頬の下からあごまでふさふさの髭に覆われた、お爺さんと相場が決まってるじゃないか。
こんな牛蒡のような男じゃ聖人だって怒るだろうに。
ぼんやりとお昼を済ませ、てくてくと歩いてニコの家に向かう。
冷たい風が頬にあたって、耳は痛いほど冷えた。
もう少しで横断歩道だったが、信号機は赤になろうとしていた。別に急ぐわけでもなく、わたしはゆっくり歩いて赤の信号機のそばで止まる。
ぶぅーん
がっかり。
聖人といえば大きな角を生やした四つ足動物にソリを引かせるものだろうに、わたしの目の前を横切る聖人はあろうことかスクーターに乗っていた。がに股で。
腹がつかえてがに股になるならともかく、満員電車で寝こけて脚をおっぴろげるおっさんじゃあるまいし、第一それじゃあんた、見かけた子どもが泣くだろう。せめてスマートに座れよ。
疲れを抱えてニコの家に着くと、いつもより三回多めにチャイムを鳴らした。
「はーい! めりーくりすます!」
トナカイが現れた。
被り物から金髪をはみ出させたトナカイは、わたしが無反応なのを見て首をかしげた。
「どうしたの?」
「なにそれ?」
「となかい」
「なぜにトナカイ?」
「だって、くりすますだし、僕ホラ、太ってないから、どちらかというと、トナカイみたいでしょ?」
「…………」
まぁ、妥当な考えだ。
わたしはちょっとだけ復活して、彼の用意した鳥の丸焼きにありついた。
聖人が贈物をくれる日。
今日はニコに呼ばれていて、彼の家に三時ごろ行くことになっていた。
お昼近くになって家を出て、近くのコンビニに入った。お昼ごはんにチョコを練りこんだパンとヨーグルトを買ってレジに行くと、カウンターでお姉さんが書き物をしていた。わたしに気づいてどけたところを見ると、仕事を終えたコンビニの店員さんらしい。
空いたカウンターから、ひょっこり聖人が現れた。
わたしはかなりがっかりした。
聖人はやせっぽちの青年だった。
降誕祭の聖人といえば赤いズボンの上から肉がはみ出そうなくらいの出っ腹で、短い脚、ぽっこり盛り上がった頬の下からあごまでふさふさの髭に覆われた、お爺さんと相場が決まってるじゃないか。
こんな牛蒡のような男じゃ聖人だって怒るだろうに。
ぼんやりとお昼を済ませ、てくてくと歩いてニコの家に向かう。
冷たい風が頬にあたって、耳は痛いほど冷えた。
もう少しで横断歩道だったが、信号機は赤になろうとしていた。別に急ぐわけでもなく、わたしはゆっくり歩いて赤の信号機のそばで止まる。
ぶぅーん
がっかり。
聖人といえば大きな角を生やした四つ足動物にソリを引かせるものだろうに、わたしの目の前を横切る聖人はあろうことかスクーターに乗っていた。がに股で。
腹がつかえてがに股になるならともかく、満員電車で寝こけて脚をおっぴろげるおっさんじゃあるまいし、第一それじゃあんた、見かけた子どもが泣くだろう。せめてスマートに座れよ。
疲れを抱えてニコの家に着くと、いつもより三回多めにチャイムを鳴らした。
「はーい! めりーくりすます!」
トナカイが現れた。
被り物から金髪をはみ出させたトナカイは、わたしが無反応なのを見て首をかしげた。
「どうしたの?」
「なにそれ?」
「となかい」
「なぜにトナカイ?」
「だって、くりすますだし、僕ホラ、太ってないから、どちらかというと、トナカイみたいでしょ?」
「…………」
まぁ、妥当な考えだ。
わたしはちょっとだけ復活して、彼の用意した鳥の丸焼きにありついた。