ホクホク
 ホクホクゥ
 ホクホク、ホク
 ホォー

 もう秋か、などとセンチな気分になる歌だ。
 明るい曲は心騒ぐはずのものなのに、どうしてこうも悲しくなるのだろう。

 ホクホク
 ホクホクゥ
 ホクホク、ホク
 アチチ

 そうか。
 きっとそうだ。

 わたしは裏通りの行列に向かって叫んだ。
「君たち、もっと甘みを出したまえ!」
 行列はわたしの声に飛び上がったが、すぐさま円陣を組んで作戦会議を開いた。
 一斉に改心のうなずき。

 ラジャー

 一行は再び、夜の裏通り制覇に向けて歩き出す。

 ホクホク
 アマアマ
 ホクホク、ホク
 アマーイ

 ほほぅ、とわたしは感心した。
 美味そうだ。夜食にひとつ貰おうか。

(サッツ・マイモン著 『秋の味覚たち 第二章 夜の裏通り』より)