『災難つづきの救世主』
 (さいなんつづきのきゅうせいしゅ)

『役立たずの救世主』
 (やくたたずのきゅうせいしゅ)

『相変わらずの救世主』
 (あいかわらずのきゅうせいしゅ)

著 者:前田 栄
挿 絵:椎名 咲月

発 行:2001年10月
発行所:角川書店 角川ルビー文庫

内容:
 ごく普通の家庭に生まれ育ったごく普通の男子高校生・貴之。ごく普通にクラスメイトの美少女・藤代が好き。なのに、初対面の転校生と公衆の面前で抱き合ってしまう!
 まて、違う! 俺は無実だぁ!
 相手も悪い。転校生・御門は体は弱いが、美少女・藤代も一目惚れするくらいに顔は良いのに、ホモ説を裏で広めはじめた!
 まて、やめてくれ! 俺が何をしたぁ!
 ホモのレッテルを貼られ、夜な夜な徘徊しては男漁りをしていると噂され、クラスメイトたちのの態度もよそよそしくなってしまった。美少女・藤代には嫌われ、家族会議まで開かれる(しかも被告席)。
 日々、懐いてくる男が確実に増えている。
 違う! 俺はホモなんかじゃないんだ!
 助けてドラ○もん!
 貴之は無事に普通の高校生活を取り戻せるのだろうか?

感想:
 上の内容説明だけを見ると、ある少年の喜劇、もとい悲劇になっていますが、なぜホモ説が広がるにいたったのかは、読んでいただければわかると思います。まぁ、のっぴきならない理由があったのよ。
 男も増えていますが、女性陣だって上玉ぞろいです。クラスメイトの藤代さん、ゴージャス美人な女王様、無敵のお姫様、等々。ただ藤代さんには嫌われ、女王様には毛嫌いされ、お姫様には玩ばれていますが。……がんばれ貴之!

 文体は主人公・貴之の一人称『俺』で統一されています。一人称は、人によってはすごく読みにくいようですが、これは大丈夫でした。サクサク読めます。サクサク。
 前田さんは濃いのを書く人だと思っていたのですが、これはホントに軽ーく読めました。本もそんなに厚みはないので、ちょっと時間があるからくらいで読んでみても良いのでは。

 ひとつだけ言えば、最後がちょっと残念。もう少し劇的な何かが欲しかったな、と。いや、最後の最後は、うん、良かったですよ。

2004.11.09
2004.11.13
2004.11.14