戸棚を空けたとき。

 一番奥に、液体の入ったビンが目に付いた。

 なんだろう・・・。

 中身が何だったのか、思い出せない。とりあえず開けてみることにした。

 薄暗い戸棚から引っ張り出すと、液体は濃い琥珀色をして、ビンの半分以下を満たしていた。

 ビンは蜂蜜が入っていたらしい。古ぼけた蜂の絵が書かれたラベルが月日を思わせる。

 硬いフタをこじ開けてると、ツンと濃い香りが現れ、広がった。

 梅酒だ。



 私はその日、いつだったかの、忘れた時を思いながら梅酒を呑んだ。