『双星記 1 先年に一度の夏』(そうせいき 1 せんねんにいちどのなつ)
著 者:荻野目 悠樹
挿 絵:
発 行:2000年9月日 初版
発行所:角川書店 角川スニーカー文庫
内容(裏表紙より):
僕が配属された紫水晶艦隊の提督は、派手な髪にサングラス姿。規律などまるっきり無視した行動に振り回されっぱなしの僕は、軍で一番不運な副官なんだろうな―。千年に一度の太陽大接近期"夏"を迎え、惑星ベルゼイオンは、もうひとつの惑星アル・ヴェルガスへの侵略を決意した。人類初の惑星間戦争に向けて発進する"宝石艦隊"。その切り札は…変わり者の不良提督!? 新感覚ヒロイック・スペース・ファンタジー、ついに登場。
感 想:
まず先に一言いいでしょうか。
名前長いよ、荻野目さん。
卒業したてのピカピカ一年生ヴェルスターペン中級宙尉は、紫水晶艦隊の副官に任命されました。
大抜擢されたにもかかわらず、不安要素が多すぎて素直に喜べません。新卒者なので経験は無く、十三番目の艦隊があったこともついさっき知って、提督は正体不明で、両親への挨拶もないまま遠征に出てしまうからです。まぁ、心配にもなるね。
そして提督を見て、ヴェルスターペンは不安をさらに増幅させました。
遠征先は片道八ヶ月もかかる遠い星です。そんなところに戦争をしに行くというのに、この上官では無理だ、無謀だ、無茶苦茶だ! なんて言っても出発してしまいます。
役立たずな提督ではありますが、人懐っこく、肩肘の張らない人です。緊張と不安を抱えるヴェルスターペンも少しずつ和らいでいきます。人を怒らせることにかけては天才ですが、仕事という仕事をしない(できない?)人なので、副官としての役目も少ししかありません。……もう窓際族かい。
酒は飲むし、部外者を部屋に入れるし、参謀長をいかにして怒らせるかが一番の悩み--そんな人の副官を半年以上も務めますが、提督に仕事をさせることが一番難しい仕事のようです。提督はわがままを言っているわけではなく、本当に何もできないハリボテ提督なのかも……。
そして七ヶ月後。
異変が起こります。
ヴェルスターペンは無事、提督の尻を叩けるでしょうか。
ある青年の悲劇、な仕上がりです。
怖がったり泣きたくなったり、ハラハラしたりドキドキしたり、大忙しです。本職は健康・スケジュール管理なのに。いや、そこから間違ってるよ。
文体はほぼ、主人公ヴェルスターペンの一人称「僕」と、もう一人の主人公(らしい人)で作られています。
星間戦争ですが、あまり緊張せず読めます。ちょっと名前を覚えるのが面倒ですが。
それと最初の巻ですので、現状と世界観の説明を掴むのが面倒で、もうちょっと割愛しても良いような気がしました。頭の中を整理しながら読む必要がありますが、覚えてしまえば次巻はスラスラ読めるような気がします。
期待しましょう。
2004.11.07-8
:『双星記 1 先年に一度の夏』
:『双星記 2 世界の彼方の敵』
:『双星記 3 遠すぎた星』
:『双星記 4 凍てつく月の戦い』