『そのとき翼は舞い降りた』
 (そのときつばさはまいおりた)

著 者:高殿 円
挿 絵:小田切 ほたる

発 行:2003年10月1日 初版
発行所:(株)角川書店 ビーンズ文庫

内容(裏表紙より)
 ゼリア女神(おかねのかみさま)の申し子・フランチェスカ・ドラコーンは、三度の飯よりお金が好き。だがある日、悪神ゼフリートの篭手《タンクレード》を継承したことから、フランの運命は激変する。
 夢と現の狭間で《継承者(ドウシャー)》を自称する隻眼の青年と出会い、また右腕に嵌った見えない篭手の効果で、自分が無敵の腕力を手に入れたことを知ったフランは、漢義あふれる傭兵団を引き連れ(というか勝手についてこられ)て旅に出るが……!?

感想:
 高殿さんの作品で初めて読んだのは『エヴァリオットの剣 我が王に告ぐ』でした。前作があって、その後のお話でした。
 たしか、相思相愛の部下とともに愛を貫くか、立場上、男前な他国の王様と政略結婚するか悩みに悩んで、そうだ既成事実をでっち上げようとみんなで策略を張り巡らし、部下を罠にはめるというお話でした。
 って書くとちょっと違うお話に聞こえますね。いえ、楽しいお話でしたよ。

 さて、新しいシリーズです。
 前作『遠征王』シリーズと同じく主人公は女性です。
 気が強くって我が強くって元気いっぱいな女の子、というのが高殿さんは好きなんでしょうか。お金大好きで元気いっぱいの少女フラン(フランチェスカ)が主人公です。

 フランは、お父さんの借金のかたに売られていきます。途中で難儀しているところを変な団体さんに助けられたくらいで、順調に(?)売られていきました。
 三年後には、ばりばり働いて親方の右腕にまでのし上がっています。
 ある日、出張から帰ったフランは、祭りのさなか、知り合いの女の子が大変な状況にあることを知ります。どうしようどうしようと悩んでいると、三年前に助けてくれた変な団体さんのボスが賞金稼いでくればいいんだよ、と勝手に決められ、闘技場に放り込まれました。
 あぁ、フランの運命はいかに……!

 真面目に語るのは大変です。
 黙っているほうが楽です。でもそれでは感想になりませんので。

 語るときは語り、省くときは適度に省いた文体なので、読みやすい作品です。
 前向きでちょっと無鉄砲で頑張りやさん、だけどちょっと休みたい時だってあるんだよ、と現実サイズのお話です。まぁ確かに、たまには泣いてみるのも良いですよね。

 かっこいいんだけどどこか世間知らずの人や、気になることばかり言う胡散臭い人や、ちょっと危ない人など盛りだくさんです。

:2004.11.03-04

:2004.11.11
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