助けてもらった浦島太郎に
亀は、お礼をしたいと申し出た。
命の恩人を背中に乗せて
海の中を深く深く潜ってゆく。
辿り着いた先は、竜宮城。
鯛や鮃、乙姫様のおもてなし。
いいことをした後は
いいことが待っている。
ここまでは、そんなお話。
最近、なにかいいことした？
…いや、なにも。
私は亀を助けていない。
亀は私に恩返しをしない。
では、この幸せはなんなのだろう。
誰が私に返してくれているのだ。
やってもいない、いいことの
お礼のいいことだけ貰うなんて。
私が亀なのかな？
私が助けてもらったのかな？
浦島太郎は誰だろう？
私がこれから恩返しする人は、誰かな？
忘れないよ、ありがとう。
いつも覚えてる、ありがとう。
ここは、竜宮城。
私たちが暮らす、幸せのお家。
ヒーロー、
貴方の浦島太郎は誰ですか？
ヒーロー、
貴方の竜宮城は何処ですか？
ヒーロー、
私は
貴方に助けてもらった
亀です。
貴方を
竜宮城でも応援します。
また みつけます。