魔法にかけられたヒーローは、忽然とお城からその姿を消してしまったのです。私はなんとかヒーローを探し出し、声をかけなければと乗り出すのでありました。
手懸かりは、消える前のヒーローが書いていた物語です。中でも一番の長編を印刷して、持参してきました。「完」の下の空欄に、サインを書いてもらおうと思っていたのです。
しかし、ヒーローが私の前に姿を現すことはありませんでした。見逃してしまったのでしょうか。なにせあの出入りの数です。有り得ないことではありません。それとも、私がスタンバイする前にもう通られたのでしょうか。
どちらにせよ、私はヒーローにサヨナラする他ありませんでした。ヒーロー、ありがとうございました。ヒーローのおかげで楽しく過ごせたし、とっても幸せになれました。
ホームグラウンドでサインをもらおうなんて、烏滸がましかったですね。どこかにゲストで呼ばれたときが狙い目です。私は現に、その様にしてgetした実績があります。こーなるんだったら、あの時握手もしてもらえば良かったです。分かってたら、お願いしたんですけどね。
やはりヒーローは異次元の世界の方です。同じ場所に生きてない。今夜は突き付けられました。
ヒーロー、
私は貴方に感謝しています。
楽しむその姿を
いつまでも私たちに届けてください。
ずっと応援しています。
忘れなることはないけど
今日が最後のアプローチだったので
少し残念に思っています。
やっぱり…
…握手、してほしかったな。
今まで ありがとうございました。