真っ白い封筒に 青空の便箋
黒いペンで
「拝啓」から始まり
「また 書きます。敬具」で終わる
拝啓 ヒーロー様
今週はヒーロー日です。終了後、ベストセラーの話をしたいと思っています。思い切って、声をかけたいと思います。
ヒーロー、忙しいですよねぇ。そんな時間ないですかねぇ?
…でも、話しかけてみたいと思います。これをきっかけに、ヒーローの言葉を広められることになるかもしれません。ヒーローの言葉を本で読むのが、今一番楽しみなことです。
時間があって、良かったら、話をきいてほしいです。だから、勇気を出して話しかけてみますので。お忙しいときは、そのように申し伝え下さい。すぐ立ち去ります!
よろしくお願いします。
また 書きます。 敬具
あ、あのっ、あのっ
はい?
あ、あのっ、サイン書いてもらってもいいですか?
はい。
あ、ありがとうございます。これに…
!?…これなにぃ?
ヒーローの物語です。
えっ!?
私、ヒーロー先生の大ファンなんですっ。
おぉ。
ヒーロー先生は、出版とかベストセラーとかに興味はないですか??
んー、そんなことできたら嬉しいけど。
あの、私にも何かお手伝いさせてもらえませんか?
オテツダイ??
はいっ!コンクールに応募するとか、新聞とか雑誌にコラム形式で連載する売り込みとか。
はぁ。
あ、あのっ、例えば今サインしてもらった作品は、三万字弱くらいなので。原稿用紙換算で七十二枚位となり、これとかこれに応募できますっ。
お、おう。
…とか……どうですか??
んー…
あ、すいません。急に言われても…ですよね。ちょっと考えてもらえたら嬉しいです。
うん…そやね。
ありがとうございます。これから将来的にやろうかなって思ったときは、どこかで公言してもらえれば。その時はまた、こちらから声かけさせて頂きますので。
ありがとう…あ、これ。
あ、ありがとうございますっ。
はい。
お忙しいところ、急に申し訳ありませんでした。
いやいや。てか、読んでくれてたんや。
はいっ、大好きです!
ありがとぉ。
大好きなヒーローの言葉を、本でもっと世界に広められたらいいなって思っています。
そーなったら、いいなぁ。
楽しみに待ってます。ありがとうございましたっ。
「FUN LETTER」vol.27編 完。