「FUN LETTER」vol.25 | My-Hero

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ヒーローに憧れた夢。

真っ白い封筒に  青空の便箋

黒いペンで

「拝啓」から始まり

「また 書きます。敬具」で終わる



拝啓 ヒーロー様

こんにちは。
先日はお忙しい中サインを書いて頂き、ありがとうございました。綺麗に飾って、毎日眺めています。これからも 大切にします。

あの日まで。あのときまで。貴方はまるで、私がみる夢の中の登場人物のように。近くにいそうでいて、実際には遥かに遠い存在でした。見ているときは、本当にすぐ側にいるみたいで。手を伸ばせば、そのまま触れてしまいそうなくらい近いのに。

ただ夢の時間が終わるとたんに、パッと貴方も消えてしまう。さっきまでそこに居たのが嘘みたいに、貴方は鮮明に姿を隠してしまう。真っ赤な緞帳が左右から対称に流れてきて、貴方の佳麗なお辞儀は覆われてしまう。

でも、それも、あの日まで。あの日の、あのときまで。本当にほんの少しだけ、二言三言言葉を交わしただけだけど。考えていた言葉の、ほんの僅かしか使えなかったけど。時間にしても、雀の涙程度だったんだけど。

あの刹那は、私には今永遠に感じられる。ヒーローと言葉を交わせるなんて。生きてて良かった、本気でそう思った。ヒーローの言葉を、こんなに近くで味わえるなんて。私は、貴方の言葉が一番好きです。

ヒーロー、握手はまだしてもらいませんでした。あの日は、敢えてしてもらいませんでした。あのときお願いしたら、貴方はきっと快く握手してくれていたことでしょう。

でもそれだと、ヒーローと一般市民の関係を崩せそうにないから。私はいつか貴方と同じ世界に立ち、堂々と握手してもらえる日を待ち望んでいるのです。夢が叶ったら、もう一度会えますか?会って、握手してもらえますか?

また 書きます。                                         敬具





Hiroさん、この度は受賞おめでとうございます。

ありがとうございます。

誰か目標にされている方はいらっしゃいましたか?

…あの、勝手に名前を出したらご迷惑かもしれないので……でも、ずっと尊敬してきた方がいます。

同じ業界の方ですか?

業種は違うけど、世界はやっと同じになれた気がしています。

その方は、貴方にとってどんな存在なんですか?

ヒーローです。私にとって、彼はヒーローそのものです。

ヒーローへ何かメッセージはありますか?

いえ。でも…見てくれたら、嬉しいなと思います。

まだお会いしたことはないのですか?

一度だけ。以前、サインを書いて頂いたことがあります。

今回のご褒美に、何か他にしてもらいたいことはありますか?

……握手

握手?

はい。

サイン書いてもらったとき、されなかったんですか?

このときのために、とっておいたんです。

なんと。年季入ってますねw

へへw本当に尊敬してるんです。

握手、してもらえるといいですね。

はいっ!また 叶えます。





「FUN LETTER」vol.25編 完。