カレンダーを新調する。1月から12月まで、全部揃ってるのを見られるのは今だけ。私たちが月日を重ねていく毎に、カレンダーはその身をどんどん軽くしていくから。
今年はどんな1年になるのかな。やりたいこと、いっぱいあるし。行きたいとこも、たくさんある。カレンダーが最後の1枚になったとき、その代わりに素敵な思い出がいーっぱい心に積もってたらいいのにな。
冬の寒さも、年を越してからいよいよ本番を迎える。手袋にマフラー、帽子など、服装にも気合いが入り、ホッカイロの株もぐんぐん上昇していく。
太陽は透き通った空の高いところから私たちを照らしてくれるけど、その暖かさを感じることのないまま、夜の下へと潜っていってしまう。
今までは春が来ることだけを、強く待ち望んでいたけど。でも、これからは違う。寒くてもなんだ。日差しが弱くてもなんだ。
今この時を、この一瞬を、とにかく精一杯生きる。今度ミユに会ったとき恥ずかしくないように、一生懸命生きるんだ。
あと、もう泣かない。…いや、すぐ泣かないようにする!泣き虫で隆行を困らせるのは、もう止める。隆行だって、ちゃんと泣かせてあげるんだ。
ミユ、きこえる?ママね、ミユのおかげで気付いたことがあるの。あのね、…
ママー!
ミユちゃ~ん!
みてー、できたーぁ!
わぁ、すごいねぇミユちゃん。
えへへ。
雪だるまできたねー。すごいすごーい。
はいっ!
はい?
ママにあげるっ!
え、せっかくミユちゃんが作ったのに?
うんっ!
本当にママがもらっちゃっていいの?
うんっ!またつくるからいーの。はいっ。
ありがとう。可愛いな~。
ミユも、ありがとう したい。
え?ミユちゃんは誰にありがとう?
サンタさんっ!
…
ゆき、いーっぱいくれたもん。
そうだね。雪でいーっぱい遊べるもんね。
うん、たのしー!
じゃあ、またお手紙書こっか。
うんっ!
あのね、それは「相手を想う」ってこと。自分のことじゃなくて、相手の立場になって考える。感謝の気持ちを忘れないってこと。ミユは誰に学んだんだろ。誰に教えてもらったのかな。
ママは遅すぎたけど、ミユは早すぎたかなぁ。大人びた分だけ、我慢もたくさんさせてきたよね。ごめんね、ミユ。ママ、もっと頼りになるママになるよ。だから、今度はいっぱい甘えてほしいな。
ミユが最後までサンタさんを信じたみたいに、ママもミユを信じてる。ミユが信じてたから、クリスマスに雪が降ったんだよね。あの夜は本当に奇跡だったなぁ。
あの日が、病院で過ごす最後のクリスマス。ママはミユを信じてるから。もっと一緒に遊ぼう。もっと一緒にお話ししよう。もっと一緒に笑おう。パパと一緒に、ずっと待ってるからね。
ミユ、きこえる?ママ、ミユのこと大好きだよ。
「さいごのクリスマス」編 完。