今日は通い始めた病院の一つで、検査結果が出る。大丈夫でしょって、無理矢理自分に言い聞かせてきた。なんでもないような気持ちでいるって演技をしてた。誰に向けたものでもない。ただ自分を騙すだけの一人芝居。これでも今日まで上手くいってた。ヒーローのおかげだけど。
でも、いざ当日。病院に近付くにつれ、顔が強張る。頬が引き攣る。雀の涙ほどの希望のつもりで、車内に流したバラードが聴こえない。運転できてるのが不思議なくらいだ。
受付を済ませ、長椅子で待ってる間は、そわそわする。今日これから「陽性でした」って言われたら、どうすればいいの?まず、なにしたらいいの?入院するの?帰れないの?何一つ答えが出されないまま、次々と疑問が浮かんでは消えていく。
受付番号が呼ばれ、何故か奥まった部屋に連れていかれる。どういうこと?告知される患者は奥の部屋に通されるの?案内してくれる看護師さんが、どんどんどんどん先に行く。私の足が前に進むことを拒む。おかしなくらい距離が空いて、看護師さんが振り返る。そうして、ようやく足が小走りに動き出してくれた。
奥の小部屋に入ると、机の上にカルテが見える。もう、結果は出てる。先生の話を聞く前に、カルテを見てしまう。しかし、それが何を意味しているのか分からなくて絶望する。緊張から、膝の上で掌をぎゅっと握る。
今のところ大丈夫。その言葉に、なんと安心したことか。今日も血液を採取する。今日は4本も取った。またまだ終わりそうにない病院通い。血の取られ方が急上昇。貧血ぎみの私には重労働。でも、大丈夫。今日は生きてる、大丈夫。
ヒーロー、
昨日の確信は、私を安心させてくれました。
もう、来月は行きません。
何も書くことがありませんから。
私にできることは、もう何もありません。
ヒーロー、
笑顔をありがとう。
ヒーロー、
勇気をありがとう。
ヒーロー、
貴方に何故「握手してください」が言えないのか
もしかしたら、ファンとして会うのが嫌なのかもしれません。
私にも夢を叶えられるのかなぁ
叶えたら、握手してくださいね、絶対!
また みつけます。