えー簡単ではございますが、以上をもちまして、Akinaの新作発表会、並びにサイン会を終了させて頂きます。本日はお足元の悪い中、たくさんの方々にお越し頂き、誠にありがとうございました。
やばーい、疲れたー
お疲れ様。
もう手がプルプル~
かしてごらん、マッサージしてあげる。
え、いいよいいよ。晃姉も司会疲れたでしょ?ね、今からちょっと一緒にお昼寝しようよ★
そうしたい気持ちはやまやまなんだけど、そんなにゆっくりする時間はないかなー。
え~、まだなんかあるのー?
続きまして、雑誌のインタビューでございます。
ひ~~~
頑張れ頑張れ、それ終わったらちょっと長めの休憩取れるから。
休憩!?終わりじゃなくて?しかもちょっと長めって…どっち!?
そんだけ頭動いてれば、インタビューも楽勝ね。行くわよー。
あーん、待ってよぉ。
失礼します。お待たせして申し訳ありませんでした。本日は宜しくお願い致します。
よろしくお願いします!
はい、大丈夫です。
はい。
今回の作品は、頑張ってる人に読んでもらいたいなって思ってます。
はい。
頑張ってる人って素敵じゃないですか。一生懸命な人って、カッコイイと思います。そんな人を応援するのって、幸せだと思うんです。このお話が、頑張ってる誰かのパワーになれたら。みんなに向けたエールになったらいいなと思って描きました。
はい、そうですね。
はい。
小説を描こうと思ったきっかけは、実は、子供の頃に読んだ本の影響なんです。
はい。
その本を読んだとき、感動したんです。本て、文字を読むだけなのに、こんなにも心が動くんだって。言葉ってすごいなって思ったんです。私もこんな風に物語を描いて、読んでくれた人の心に響いたらいいなって。それから、作家さんに興味持ってました。
そうですね。
あのとき、あの本に出会ってなかったら、私は今小説家ではないですね。
んー、なんだろ?
普通のOLかなぁ。実際に小説家になる前、そうでしたし。
はい。
楽しかったです。晃ね、マネージャーさんと同じ会社だったんですよ。
いえ。
出会いは、私が産まれたときです。
いえ。
姉妹じゃないんですけど。従姉妹なんです、私たち。でも、ほぼ姉妹と言っても過言ではないです。ちっちゃい頃からずっと一緒にいましたから。毎日のように遊んでたし。
そうなんです、血繋がってます。
ケンカは、しないですね。
仲悪くなった時期とかもないです。1回家が遠くなっちゃったときがあったんですけど、その時も毎日電話してましたよ。仲良いでしょ。
はい。
私一人っ子なんで、本当にお姉ちゃんみたいな存在なんです。大好きなお姉ちゃんです。
あ、そうそう。
私が中学生のときなんですけど、当時高校生だった明日美さんていう方が描いた物語です。
いえ。
会ったことないんです。どんな方かも知らないし、今何処に住んでいるのかも分かりません。
会いたいです。
最近もまた読んだんですけど、またまた感動しちゃいました。もう当時とかも暗記する程、何度も何度も読んだんですけどね。ストーリーもぜーんぶ分かってるのに感動するって、すごいことだと思いません?
晃ね、マネージャーさんだったらかぁ。
そうですねー
やだ、ちょっと何泣いてるのよ!?
え、あれ、なんでだろ。
どうしたっていうのよ?
いや、もしも晃姉があの本を描いたんだったらって想像したら、勝手に涙が出てきた。
だから、なんでよ?
たぶんね、嬉しんだと思う。私に夢を与えてくれた人が晃姉だったとしたら、ロマンティックじゃない。
晃子は、今まで内緒にしていたことに申し訳なさを感じていた。それは、那美が本当のことを知ったら、ガッカリするのではないかと不安だったから。自分が目標にしてきた本が、実は晃子が描いたものだったなんて分かったら、ショックを受けるんじゃないかと心配だったから。
でも、自分の夢に晃子が繋がっていると想像した那美は、涙を流して喜んだ。その姿を目の当たりにした晃子は、本気で那美を幸せにすることを改めて胸に誓うのであった。
この子は、私が絶対に幸せにする。
それが、晃子の夢だ。とても素敵な、ロマンティックな夢だ。
那美は、泣いてしまった自分が不思議で堪らなかった。晃子に指摘されるまで、泣いてることすら気付かなかった。未だに良く分からない感情だけど、兎に角嬉しかったのだ。明日美の正体が晃子だったら、どんなに素敵な運命なのだろう。自分の夢が、そのまま晃子ということだ。那美にとってそれは、正に人生最高のサプライズ。まるでフラッシュモブを仕掛けられたみたいに、驚きと感動に満ち溢れていた。
那美は、こんな運命が待ち受けていたのであったらと、想像しては幸せな気持ちに浸るのであった。
そして、いつか晃子を、心の底から感動させる。自分が味わった幸せを、晃子にも感じさせてあげたい。それが那美の夢だ。とても素敵な、ロマンティックな夢だ。
また つづく。