拝啓 始まり様
小さい頃、どんな子供だった?
僕にはお兄ちゃんが一人いて、ずっと一緒に遊んでた。お兄ちゃんのこと大好き。いっつも僕と遊んでくれるし、いっつも僕の味方だし、いっつも僕楽しくて。かっこいい、大大大好きなお兄ちゃんなんだ。
小さい頃、どんな子供だった?
俺には弟が一人いて、ずっと一緒に遊んでた。弟のことは好きだよ。いっつも俺に付いて来て、いっつも俺の真似をして、いっつも俺に優しんだ。可愛いんだよね、あいつ。
もし兄弟じゃなかったとしても、きっと二人は親友になってただろうね。
そんな二人も大きくなって、段々と別々の道を歩むようになる。それぞれの世界はそれぞれに広がり、一緒に過ごす時間も日に日に少なくなっていった。
お兄ちゃんは寂しかった。弟の成長は嬉しい。どんどん逞しく男前に育った弟は、自慢の弟だ。だけど、広がる弟の世界と比例して、お兄ちゃんの存在が小さくなってしまうと感じていた。
弟はどこまでも真っ直ぐだった。お兄ちゃんに憧れて、お兄ちゃんの背中を追い掛けた。大人になっても、お兄ちゃんが大好きなのは変わらなかった。
ただ、昔のようにその気持ちを表現するのは苦手になった。感情を表すのは得意な方で、小さい頃は全てをさらけ出していた。だけど、年齢を重ねるごとに、流石に恥ずかしくなったのだ。
自分の気持ちを伝えることは、得てしてこそばゆいものである。お兄ちゃんに直接ぶつけることは、やらなくなってしまった。大好きな気持ちは、相変わらずだったのだが。
お兄ちゃんには、それが少し寂しかった。素直に大好きを届けてくれる弟が、可愛かったから。自分も大好きと、心から思える存在だったから。勿論今でも、その気持ちに変わりはない。
だから、今ではお兄ちゃんの方が伝える側に立っている。これでもかというくらい愛情を注いでいる。
お兄ちゃんは楽しかった。弟と過ごす日々を、とても楽しんでいた。弟を幸せにすることが、お兄ちゃんの夢だ。弟は希望だ。
弟のヒーローは、お兄ちゃん。いつまでもカッコイイお兄ちゃんの存在は偉大だ。憧れのヒーロー。ずっと変わらない、いつでも大好き。弟は、お兄ちゃんみたいな男になるのが夢。お兄ちゃんは、いつまでもその大きな背中を追い続ける希望。
二人の始まりは、相思相愛。
これからも二人は相思相愛。
ずっとずっと、想い続ける。
相方を信じて
では いってきます。 敬具