拝啓 親切様
真冬のインフルエンザ予防から、春先の花粉予防まで、フルでマスクを付けている私です。マスクには随分長い間お世話になっています。丁度その時期に当たった、会社の中途採用の方に「あの人の素顔を見たことがないが、どんな顔を??」と陰で言われていたらしいです。それくらい毎日欠かさず付けています。お陰様でインフルにもかからなかったし、クシュンクシュンしなくて済んでいます。マスク様様です。
そんな利便性の高いマスクでも、肌に与えるストレスは思った以上に大きいらしく。私の顔が遂に限界を迎えるに至りました。肌荒れ放題です。思春期の中学生みたいに、帰ったら速攻でまず顔を洗います。多感な高校生みたいに、殺菌作用の優れた石鹸を用いて顔を洗います。
しばらく様子を見てみます。
完治せず、断念。
急かさず皮膚科へ行ってきました。そんな病院の、待合室での出来事です。
歩くのがとてもゆっくりで、小さな腰の曲がったお婆ちゃんがいました。お婆ちゃんは、娘さんに手を支えられ、診察室から出てくるところでした。
ゆっくりゆっくり歩いていると、診察室から一番近くの席に座っていた方がスッと間を詰めて、お婆ちゃん達の座る分を確保しようとしました。スッは隣の人にも伝染し、スッスッの連続詰めに移ります。親切の伝染には、素晴らしいものがありますね。私はそのスッの仕草が微笑ましく、実際にニヤニヤしてしまいました。まだまだマスク付けてたんで、周りに私のニヤニヤはバレていません。またまたお世話になってしまいました。マスク様様です。
しかし、それでは娘さんと一緒に座ることは出来ないかもしれません。いや、出来たかもしれませんが、それだと窮屈かなと判断したのでしょうか。お婆ちゃんは杖を持っていましたので、広くゆとりを取ってあげようと思ったのでしょうか。最初のスッの方が、今度はサッと立ち上がりサッと身を翻しサッと席を譲ったのです。そして「こちらへ一緒にどうぞ。私はこっちで大丈夫ですから。」と、サッと移動しながら優しい言葉をかけてあげていました。
流石にこのサッには脱帽です。なんて心の優しい方なのでしょう。そして、なんて勇気のある方なのでしょう。私はいくつになったら、このような大人な対応が出来るようになるのでしょうか。
本気でかっこいいと思っています。
席を譲りたい気持ちはあるのです。でも声をかける勇気はありません。もしも「結構です」と言われたらどうしよう。言われなくても、思われたらどうしよう。そんな心配ばかりして、結局いつも『親切』を出来ないままでいます。
『親切』には『勇気』も必要なんですよね。
お婆ちゃんは「ありがとう」と言って、そこに腰を下ろしました。お婆ちゃんもいい人だなって思いました。素直に席を譲ってもらい、感謝の言葉を述べ、感謝の気持ちを伝えています。なんて素敵なふれあいでしょう。見てるこっちが幸せになれます。
その後も、もう一組のそんなやり取りを目の当たりにしました。先程の席をお譲りになった方は私よりも年配の方で、私もああなりたいなと思いましたが。今度の方は、私と同年代くらいの方でした。『親切』に年齢は関係ないのですね。
唸る程かっこいいです。
私も、次回こそは『親切』に挑戦してみたいと思います。親切に、勇気を持って挑みます。私もかっこよくなりたいです。
スッ。
サッ。
イメージトレーニングは
ばっちりです。
では いってきます。 敬具