『うつくしい子ども』 | My-Hero

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ヒーローに憧れた夢。

拝啓 兄弟様


私の弟が誰かを殺めてしまったら

このお兄ちゃんのように
弟を理解しようと立ち向かえるのかな。


石田衣良さんの『うつくしい子ども』


人が親になるのは
当たり前のことではない。

産まれたときは皆誰かの子どもだ。

子どもが大人に成長し
大切な人と出会い
大切な赤ちゃんを授かる。

そんな奇跡の連続で
人は親になることができる。

それでも、先ずは
生物学的に親になっただけ。

本当の意味で“親”になるには
そこから血の滲むような努力が必要だ。

みんな初めて“親”になるのだ。

一発勝負。

ぶっつけ本番。

リハーサルのときはない。

そんな新米の親が子どもを育てる。

上手くいくことの方が
奇跡なのかもしれない。

しかし、そんな奇跡を起こさなければ
世間からは後ろ指を指される。

成功しか受け入れない。

失敗は受け入れない。


そうして大切に育てたはずの子どもが
ある日突然殺人犯に。

自分の子どもが、誰かの子どもを殺める。

信じがたい現実が押し寄せる。



そんなとき“親”には何ができる



大人より
子どもの方が強いのかもしれない。

子どもの方が対応能力に優れているのか。

お父さんより、お母さんより、
お兄ちゃんが一番大きく弟を受け入れた。


お兄ちゃん。



家族。




絆。





兄弟。



今を受け止め、信じ抜く。



変えられない現実と


変えなければならない感情を


小さな心で一つにまとめて


エールさえも自分で送り


前を向いて歩いてく。


家族と一緒に、歩いてく。



お兄ちゃんはタフだ。


頑丈な気力と決意を持って

弟を見つめてく。


私も、こんなに強く誰かを想ってみたい。

では いってきます。                                 敬具