ディープなフランスからごきげんよう、ドゥミ仙人こと☆Blay典子です。
ご縁をいただき、ありがとうございます。
先日、ヨガ中にうさぎがキター🐇
数日前に1度見かけたきりだったけれど、この日は計3回、前を行ったり来たり。
以前、モンペリエ近郊に住んでいた時、ほぼ毎日庭にリスが来ていて、徐々に猫用に置いていた餌を食べるようになり、ある日餌を食べながら、窓越しに中を覗き込んでいるなぁと思ったら、部屋に入ろうとジャンプして、ガラスに激突
事故っては欲しくないですが、うさぎも近づいてきて欲しいなぁと思う今日この頃です
さて、今日は前回の「悪魔のひき臼に挽かれていない?」
に続き、こちらの動画のまとめで
生きるために大切なこと1
前のブログで、「次回は鍵となる「家庭」について書きたい」とお伝えしましたが、その前に大切な部分があったので、「家庭」については少し先延ばしさせて頂きます。あしからず🙇
動画の中盤、お二人が、スペインの哲学者オルテガ(この名前、動画で知った😅)の言葉を引用しながら、
生きる為に大切なのは「権威に媚びることなく、ちゃんと意見が言えて、聞くこともできて、まともに議論ができる」こと
と仰っています。
日本人には、この力が完全に足りていないと、フランスに来て痛感しています。
「フランス人は議論好き」と言われますが、これはただの「好き」ではなく、教育の賜物
フランスでは、授業は参加することが大切で、黙って先生の言うことを聞いているだけの人は、積極的に参加する人より低い評価を受けるそうです。
高校卒業時に受けるバカロレアのテストでは「哲学」が必須。
3つのうち好きなものを1つ選び、制限時間4時間で論文を仕上げます。
2023年の問題はこちら🔽
-Le bonheur est-il affaire de raison ?
(幸福は理性の問題か?)
-Vouloir la paix, est-ce vouloir la justice ?
(平和を求めることは、正義を求めることか?)
-Expliquer le texte suivant : un extrait de Lévi-Strauss, La Pensée sauvage (1962).
(レヴィ=ストロース『野生の思考』(1962年)の抜粋テキストを解説せよ。)
鉛筆で書くことは禁止されており、必ずペンで清書します。
その為、高校3年生になると、国語であるフランス語の時間が「哲学」に代わり、偉人の言葉を引用しながら、自分の意見を交えて議論します。
バカロレアには他に、口頭試験もあり、2つのお題のうち1つを選び、20分で準備、10分のプレゼン後、10分議論。
お題は様々ですが、例えばフランスの文学、哲学、詩人、批評家などの場合、その人物の業績や、名言などばかりでなく、作品の分析、時代背景や現代へのつながり、自分とその人物との関係などを、自分の言葉で論じなければなりません。
日本人とは全く違った方法で、脳みそを鍛えられた18歳のフランス人は、日本の18歳より遥かに大人で、多くの日本人は、そこまで脳みそを使うことは、残念ながら一生ないと思われます。
議論する能力は、フランス語を学習する上でも大事なポイントだと、50代半ばになってから通った語学学校で知りました。
クラブメッドで働き始めてフランス人と付き合うようになり、フランス語に接する機会が多かったので、初級本と耳で覚え、まぁまぁ話せるようになったものの、常に独学での限界を感じていて、フランス移住後、念願の語学学校へ。
文法や長文読解のほかに、レベルに応じた議論術を学ぶ授業がありました。
「山 or 海」「ピザ🍕 or バーガー🍔」に始まり、環境問題や電動キックボードなどの時事問題について、ペアやグループ対抗で議論し、その後、先生から総評を頂いたり、生徒間で意見を交わし合ったりしました。
学生は約10ケ国から来ていたこともあり、文化や価値観の違う人たちと、時には素のまま、時には別人格になりきって、意見交換をできたのは本当に楽しかったです
が、日本でそれを学んでこなかった私は、習い初めの頃「典子さんの意見に反対です」と言われては、まるで人格を全否定されたかのようにグサッと来て
、軽く落ち込んだり
、そう言った人を嫌いになりそうになったりしていました
でも、回を重ねるごとに、それは個人攻撃ではなく、単に考え方が違うだけ😌
自分は自分、人は人と思える精神になり、人間はこうすると、健康的に打たれ強くなっていくんだなぁと実感。
その精神ができて初めて、冷静に相手の意見を聞くことができるようになることを身をもって知りました。
当たり前ですが、様々な意見を聞くと、自分とは違う角度の見方を学ぶことができます。
授業では、他の人が議論するのを見た後、評価するパターンもあり、一方の意見をもとに想像の枠を広げて、他方が意見を言い、再び意見を述べるを繰り返すことで、互いのことや議題の理解度が確実に高まって行くのが、見てとれました。
フランス語検定DELFの口頭表現も議論形式で、幅広い時事問題や、ちょっと創造性を問われるようなお題(例えば、30年後に出来そうな職業)を議論します。
よく出る問題を想定して準備するものの、それだけではカバー出来ない、日々の姿勢に裏打ちされる側面も多く、人間力を問われているように感じました。
それを経験して、絶えず自分の意見や立場をはっきりさせておくのは結構しんどくて、日本のように、荒波を立てず、なんとなく周りに合わせている方が、精神的には楽だなぁと思いました。
が、同時に意見を交わさないと、人間も社会も成熟することはあり得ないことがよくわかりました。
余談ですが、議論の授業では、意見を明確に伝える為には、表情や語調も大事と、「もっと強い口調で」「もっと手を使って」などの指導があり、フランス人はこうやって表現上手になっていくんだなぁと思いました。
こう書いていると、フランス贔屓しているように取られるかもしれませんが、それ以外の国の状況を知らないので、フランスと日本の比較になっていることをご了承下さい。
おそらくヨーロッパの国では、フランスと似た状況で、精神的に大人が多いはず。
なぜなら、日本は島国で他国から攻められることを想像しにくいですが、ヨーロッパを関東地方、フランスを東京とすると、ドイツが埼玉、スペインが神奈川くらいの位置感覚で、国際問題は他人事ではありません。
日常的にあらゆる人種が行き交っていて、せめぎ合っている為、のほほんとしていられないのが現状です。
少し長くなって来たので、この続きはまた次回…
それでは、最後にお祈りです。
毎日のたくさんのお力添えとお導き、そしてお守りをありがとうございます。
世界の一人でも多く、1日でも早く、平穏無事に過ごせる日が来るよう、最高最善のお力添えとお導き、そしてお守りをお願い致します🙏
ではまた次回、A la prochaine !ア・ラ・プろシェンヌ!