前回に引き続いて、いわゆる「性自認」について書いていきます。
 (とは書いたものの、途中でエネルギーが切れたので、殆ど完全に「文献紹介」になっています)

 私の主張を前例のない乱暴な断定であるかのように受け取った方々が少なくないようですが、さすがに何の裏づけもないことを一人で言いつのるような度胸は持ち合せていません。

 「性自認なんて存在しない」という主張をしている人たちは少なからずいるのです。日本で紹介されていないだけです。
 その証拠を列挙していこうと思います。

 「この情報の引用元」を教えて欲しいというツイートをいただきました。「この」と言われても「どの」情報なのか分からないし、当該のブログ記事では「引用」など一度もしていない気がします。
 でも、おっしゃりたいことは何となくは分かりますので、片意地を張らないで、出来る限りその辺を明らかにしておくことにした次第です。

 以下、順不同で思い出すままに書きます。
 単なる「情報」の羅列ですし、それが煩わしいかたは、そっくり無視していただければ結構です。
 問題の理解を進めることに熱心な方は、参考になるのは間違いありませんから、ぼちぼちと参照されるとよろしいでしょう。
 こちらも無制限に時間をかける余裕はありませんので、ネット情報の場合も、リンクまで詳細には書きません。キーワード検索をすれば、必ずヒットするとは思います。

 そんな流れなので、まずはサイトから紹介します。

○「4thWaveNow」
 カギカッコ内がサイトの名前ですので、すぐに探せます。
 レイ・ブランチャードとマイケル・ベイリーの論文が読めます。
 また、トランジションした・しようとしている子どもたちの親が、たくさんの投稿をしています。「デトランジション」についても、現在進行形の現場の声を参照することができます。

○「Transparency Gender Dysphoria Alliance」
 読んで字の如し。Podcasts を聴くことができますし、Youtubeからも見れます。「一見にしかず」というやつ。GDやAGPについても情報が豊富です。

○「Benjamin A Boyce」
 Youtubeなら上記のキーワードで検索してください。いろいろなインタビューを聴けます。デトランジショナー(脱性別移行者)が大勢顔出しで出ていますし、トランジショナーの親も出演していました。

 このあとは書籍。

○「The End of Gender」by Debra Soh
 「Debunking the Myths about Sex and Identity in Our Society」
 という副題がついています。これは重要な書籍です。
 書籍については以下同様、Amazonで御覧あれ、です。ただ、Amazonで5千円する本を無料で入手できたりもするのでその辺は頑張ってみてください。

○「The man who would be queen」 by J.Michael Bailey
  上記に書いた例の一つ。でも、今さがしてみたら、Amazonからは姿を消していました。
 この本は非常に大きな衝撃を呼びました。私のブログに、それについて書いた記事があります。基礎知識に相当する情報だと思います。

○「Gender Hurts」 by Sheila Jeffreys
 副題は「A feminist analysis of the politics of transgenerism」
 この本、Amazonでは 5144円します。
  著者はTRAが目の敵にしているフェミニスト。
 この人の文章を1行も読んだことがないくせに、その思想を「批判」しているTRAが、日本のtwitter界隈にいたりもします。

○「Doublethink」 Janice Raymond
  副題は「Feminist Challenge to Transgendarism」。
 TRAの目の敵で欠かせないのがこの人でした。この本も、最近までAmazonで売っていたと思うんですが、姿を消していました。

○「Trans」 by Helen Joyce
  副題は「When Ideology Meets Reality」。
 この本は、kindle版で 1651円で買えます。しかも必読文献です。

 

○「When Harry Became Sally」 by Ryan T. Anderson
 副題は「Responding to the Transgender Moment」
 たいへん分かりやすく核心に迫っている本です。
 Amazonから取扱いを拒否されてしまったといういわくつきの本。
 でも、というよりだからこそか、面白い本でよく売れているようです。

 これも必読文献に入るでしょう。

 Amazonにはないものの検索すればすぐに見つかります。

 

○「Irreversible Damage」 by Abigail Shrier
 副題は「The Transgender Craze Seducing Our Daughters」
 TRAがさんざん出版を妨害した挙句に、なんとか発刊できた本なのですが、3462個の評価がつくベストセラーになりました。一般市民の関心が如何に高いかを示しています。その辺を理解することなく、トランス差別はいけない一辺倒で進歩派気取りでいる御仁が多いのは困った話です。この本についても、プログ記事を書いていますので、ご参照いただければと思います。

 

○「The Abolition of Sex」 by Kara Dansky
 副題は「: How the “Transgender” Agenda Harms Women and Girls」
 他の本とくらべて、反響がイマイチという感じはします。
 著者は、まさに「戦闘的フェミニスト」の代表といった印象です。
 言葉を濁さずに言い切っている爽快さはあります。


○「Material Girls: Why Reality Matters for Feminism」
  by Kathleen Stock
 著者については、前に私はツイートしています。TRAが騒ぎ立てた末に、大学を追われることになった哲学教授です。
 様々な社会的な動きよりも(もちろん大いに言及はしていますが)考え方についての論考に重きをおいた本だと思います。

○「Cynical theories」 by Helen Pluckeose, James Lindsay
  副題は長いので省略します。様々なbig namesからも絶賛されている本です。
 トランスジェンダリズムが「woke」や「social justice」と共通する思想で、ボストモダニズムのなれの果てだということを論じています。

○「The Madness of Crowds: Gender, Race and Identity;」
 面倒なので、副題ごとコピペします。これはけっこう面白い本です。
 by Douglas Murray でした。

 比較的最近のものを挙げました。
 以上の文献のうち、「基礎文献」として挙げたベイリー氏の本を除けば、すべてトランスジェンダリズムに対して、非常に批判的であるものばかりです。基本的に「ジェンダー」概念に疑問を呈し、ジェンダー・アイデンティティを否定しています。
 これらのすべてが、翻訳の出版はおろか、存在していることさえ殆ど触れられることのないのが日本の現状です。
 
 以下、「基礎文献」となるべき日本語の本を挙げておきます。
 
 「ジェンダー」も「性自認」も現在、かなり気楽に使用されている言葉ですが、もともとが「学術用語」であり、日常語ではありません。だとしたら、それらは最初は厳密な意味で提示された言葉であり、その意味を把握するためには概念の受け取られ方の歴史を把握する必要があります。

 まあ、そうした話は次の機会にして、ともかく以下に何冊か挙げておきましょう。そうそう、けっこう古い本が多いですが、図書館にいけば、たいていは参照することができます。

○「性の政治学」 ケイト・ミレット 
  藤枝澪子 訳  ドメス出版
 そもそもは、この人がこの本に書いたからこそ一般的になったのが「ジェンダー」という言葉。家父長制(父権制)と性支配を論じるための言葉だったのです。

○「性の署名」 ジョン・マネー/パトリシア・タッカー
  朝山新一 訳 人文書院

○「ブレンダと呼ばれた少年」 ジョン・コラピント
  村井智之 訳  扶桑社(もともとは工作舎)

○「セックス&ブレイン」 
  ジョー・ダーデンスミス/ダイアン・シモーヌ
  池上千寿子/根岸悦子 訳  工作舎

○「セックス神話解体新書」 小倉千加子
   学陽書房(現在はちくま文庫に収められている)

 ミレットとマネーを出したので上の4冊を続けました。
 くたびれたので、他は各自ご自由に選んでください。