twitterにおけるトイレ論争は、殆ど「空騒ぎ」だと私は思っています。結論は既に決定済みなのに、どちらの側もそれを理解していない様子ですし、虚しく繰り広げられ続けている多くの部分は、「同意」に至りようのない「神学論争」です。
 
 というのは「トランス女性は女性です」はTGism信仰における一つの教条なので、信仰者と非信仰者との間でその当否を議論することなどできません。正しいのを証明するのも、正しくないのを証明することもできない話です。

 清水晶子氏が、J.バトラー風の(つまり中学生並の)理屈を書いていたのを発見しました。こんな具合です。
 

女性が生物学的事実を述べることは差別ではないとのツイードを目にして、それはその通りなのだけれども、例えば「女性にはペニスはない」は(「女性」が社会的カテゴリーである以上)生物学的事実を述べているわけではないし、ウィメンズマーチでわざわざそれを言う意図や効果は問われるのでは。
午前10:50 ・ 2019年3月4日・Twitter Web Client


 「女性」は確かに「社会的カテゴリー」だと言えますが、それがそのカテゴリー内の一つの概念として成立するためには「生物学的カテゴリー」にひも付けられている必要があります。そうでなければ、女装男性が女性用トイレに侵入したときになぜ建造物侵入罪に問われるのか説明できません。

 清水氏は大阪の「商業施設」で女性用トイレに侵入して逮捕された男性の弁護人をかって出なければならないはずですが、そんな用意も覚悟もなくて、勝手なことを言い散らしているだけのように私には思えます。

 以下は、さるtwitterアカウントの発言です。

 

男が女子トイレや女湯入ったり、統計がぐちゃぐちゃになったり「女性」って言葉が消されるのはターフ()のデマ!になるのが理想ですもんね。ストーカー規制も児童虐待防止の強化も現実に酷い事件が起きてやっと法律ができましたもんね。犠牲者が出る前に変えて欲しい…というかそも法制化するな!ですね
午後3:41 ・ 2022年4月5日・Twitter for Android

 


 「犠牲者が出る前に変えて欲しい」という主張は、書いたそばから引っ込められています。それなら、はっきり「現状を変えないでほしい」と発言するのが分かりやすいと私は思うのですが、それなら、この人はいったい何をしてほしいとお考えなのでしょう。

 私は既に何度も同じ事を主張しています。そしてその度に「女性の気持ちを無視するな」などとイチャモンをつけられています。しかし、上の発言が「女性の気持ち」であるならば、私の主張と何も変わるところがないので、そうした反応は不思議でなりません。
 単に日頃の個人的な欝憤を相手をクソ呼ばわりして晴らしているだけなのでしょうか。

 「不審者」を見つけたら、管理者と警察に通報するべきです。出来るだけ多数の女性が「もっと巡回を増やせ」などの苦情を言い立てるべきです。そうしたことを(当たり前すぎてバカバカしい、何の「勉強」もしていないオバサンたちにも言えそうで高尚さに欠ける、等々の理由でないがしろにしないで)地道に行う以外に何ができるというのでしょうか。

 また、平凡に見えても、そうした地道な行動の積み重ねが、女性スペースの安全性向上に貢献するでしょうし、それをしないことは、端的に言って怠慢以外のなにものでもありません。
 少なくとも、この界隈で女性スペースの安全についてあれこれ書いていらっしゃる方が、その一方、自身で実行可能な対応を怠っているのだとしたら、発言の真摯さにも大いに疑問符がついてくるのが当然でしょう。

 トイレ論争のむなしさは、そういう実際に選択可能なことをせずに、彼らはこんなにひどいことをしている、こんなひどいことを書いている等々と相手をひたすら「悪魔化」し、自分達を「犠牲者化」するのに終始しているところにあると私には思えます。それではただの自己満足に過ぎないでしょう。
 また、海外と日本との違いをしっかり把握していないのではないか、としか思えない発言も少なくありません。

 以前にもツイートしたことがありますが、明確に言っておきます。
 日本の女性たちは、トイレや風呂に関する限り、法によって保護されているのです。
 この点をよく分かっていないTRAの人達が、或いは分かりすぎているからこそか、相手を混乱させようとして、あれこれ書いてきても、実効性は何もありません。正面切って受け止めて、切り返してやればいいのです。

 冒頭に「結論は既に決定済み」と書いたのは以上のことを意味します。