おはようございます。


退職して、早速新しい会社の説明会に行く、

という彼を駅まで送って。

帰ってきてご飯を食べつつ本を読んでたら

不意に不安がこみ上げてきました。


ここ数年、休みもなく朝から晩まで

働き通しだった彼を、

もう少し休ませてあげたい。


心を込めて、「長い間、お疲れ様でした」と

お礼は言えたけれど。

あたしが「辞めていいよ」と言ってから

2ヶ月弱の間にどういう道筋で退職したのか

とか、

今日の会社説明会の会社はどんなとこか

とか、そういうことが聞けない。


何を聞いても、どの口が、と自分で思ってしまう。

何も出来ないくせに、

変な口出ししてわざわざ掘り返す資格なんてない、

と思ってしまう。

そう。

あたしに資格なんてない。


それが逆に、壁を作ってしまってるのかも、

と思いはするのだけれど。



昨夜、あたしもほぼ寝てないから。

彼があまり眠れてないこともわかってる。


まだ疲れてるだろうから、とか

もう少し落ち着いたら、とか

いろいろ言い訳を並べて

話し合うことを先延ばしにしている。


話す時、あたしは絶対泣いてしまう。

それを彼が嫌がるだろうこともわかる。

少し前のやり取りでは、

あたしも前を向いて一緒に進もう、

みたいな感じだったから。


でも、あたしは本心を知りたい。

彼にはもう「愛情」はなく、

「義務」とか「義理」とかであたしと一緒に

いるだけなのではないかと。


20年近く、一緒にいて。

いろんなことがあった。

気持ちが離れたこともあったし、

裏切られたこともあったし、

それでもやっぱり好きだと感じることもあった。

もちろんあたしだって、

彼にいつも従順だったわけでもない。



――――――――もう、充分ではないか。


あたしという足枷を外して、

解放してあげてもいいんじゃないか。

彼にはもっと愛し合える人がいるんじゃないか。

子どもが好きな彼は、

暖かで優しくて頼りになる

家庭を築くべきじゃないか。


あたしでは、それが出来ないから。


5年も、働けないあたしを支えてくれた。

その前からの、

あたしの激しい自傷にうんざりしながら。


やはり、あたしなんていなければよかったな。


不安。恐怖。不安。

何に怯えてるかもわからない。


近いうちに、話し合いをしなければ。

彼が離れるのは仕方がないこと。

あたしは、彼を笑顔にできてない。

その事実が全て。


うまく言葉を紡ぐ自信がない。

手紙を書こうかな。

そっちの方がいいかな。



本来ならば。

彼が帰ってくる前に、居なくなっておきたかった。



暗い夜道に、一筋の月明かりを。

どうすればあそこへ行けるだろう。