【クロ】
母の実家、茨城の家にいる「クロ」。
もう、かれこれ16年近いのかな?
こんな可愛い顔をしているけど、おじいちゃん。
とにかく力が強くて、足が速くて、散歩の時の猛ダッシュはあたしの足が絡まって躓いて大ごけするんじゃないかって位だった。
それが、今回散歩に行った時は違った。
散歩用のリードに繋ぐ時点で、嬉しくて大暴れするクロが、おとなしい。
しかも、リードに繋いで鎖をはずした途端の猛ダッシュもない。
歩き出した足は、なんだか力なく、でも頑張って前に進んでいる様子。
確実に足腰が衰えている・・・。
数年前から気になっていた目のにごりは増し、叔父叔母の話によると、耳も聞こえなくなってきているらしい。
鼻も利かなくなってきたようで、ジャーキーをあげて落としてしまうと、どこにあるのかすぐに気づく事ができずに探していた。
背中を撫でると痩せ細って感じられる背骨が、更にハッキリとしてきた。
頭を撫でると、頭も骨々しい・・・。
そういえば、足もかなり細くなった・・・。
妊婦になって田舎に行く事を止められ、長い事クロの散歩ができず。
出産後も以前のようには頻繁に行く事を止められ、暑い夏が心配で仕方なかった。
考えたくはないが、ここ2、3年頭をよぎっている事。
正直、頭の中に浮かんでも、口には出したくない。
まだまだ一緒に散歩できるよね?
今までみたいに1時間、時にはそれ以上もクロの行きたい所へ行っていた散歩。
今回は、微妙に後ろ足の不安を覚えて30分もせずに帰り、家の敷地内をのんびり歩いた。
後ろの両足に絡まってできた毛の塊をとっている間、今までに聞いたことのないような低いうめき声のような物を発していた。
それを聞いていたばぁちゃんは「その声、聞きたくないな」と言った。
クロを押さえていた叔母も、あたしも同様だった。
なんとかなだめつつ、急いでカットした。
いつも通り、水を換えて少し話しかけ、あたしは家の中へと戻った。
いつもならすぐに「お~い!!まだ散歩しようよ!!もう1回連れて行ってよー!!」と言っているかのように吠えて、あたしを呼ぶ。
でも、今回はすぐにはその声は聞こえてこなかった。
暫く時間が経ってから、クロは吠えた。
目も、耳も、鼻も利かなくなったクロは、あたしがいなくなった事に気づかなかったのかな・・・。
子連れでの遠出は大変だ。
でも、坊ももうすぐ1歳になるし、クロに会うため、これからは月に1度は行きたい。
クロが歩きたがる、散歩したがる内は、一緒に散歩に行きたい。
コラーゲン入りのソフトジャーキーをまた持って行くから、待っててね、クロ。