詩を書くのが好きな青年の生活のストーリーで、物語の中では大した出来事は起きない。
だが、最後にその詩のまつわる事で、悲劇が起きる。
彼は、社会や生活から取り残される。詩を書く事で呼吸をしてるようなところがあったからだ。
しかしラストにささやかな、ほんのささやかな奇跡が起きて、彼はまたペンを走らせる。
日常生活に色をつけに、カメラを持って車を走らせた。
キハを追った。
カメラを設定して来るのを待った。
キハはゆっくりと走り、トンネル手前で減速して、
パーンとクラクションを鳴らして去っていった。
そのたたずまいは人生そのものだった。
海に面したゆるやかなカーブを、ゆっくりと弧を描いて去っていった。
しばらくその場にいて、それから一歩一歩あるいて車に戻る。
エンジンをかけるとピアノのみずみずしい音が鳴り響く。
目をつぶって音を追った。
口元がほころぶ。
車を走らせて家路に着く。



