最近はホラー映画の定番『13日の金曜日』シリーズや、ドタバタコメディの『裸の銃を持つ男』などの、これまで紹介してきた映画に比べると比較的メジャーな作品ばかりを観ていました。


しかし、そういうメジャー作品(というほど偉そうなものでもありませんが)に慣れてくると、


「そろそろゾンビ映画でも観ようかな」


という気持ちになってくるものです(普通はなりません)。


何というのでしょうね、この気分は…。

美味しいイタリアンの店に毎日のように通っていて、それは確かに満足できる出来栄えなんですが、ふと近所のまっずーいラーメン屋の味が恋しくなる…といったところでしょうか。

でもって、やっぱりそのラーメン屋は食後に苦いコーヒーでも飲まないと舌がおかしくなるような殺人的な不味さなので、心の中で悪態をつきながら店を出るわけです。


…何だか自分でも例えがよく分かりませんが、私にとっての『ゾンビ映画』というのはそういうもののように思えます。


ということで、早速レンタルショップへ向かいました。


そしてゾンビ映画のコーナーの前に立ったのですが…。


うん、そう、これこれ。

ずらりと並ぶダメそうな映画の数々。

さながら映画界のスモーキーマウンテンといった有様です。


しかしこのジャンクの中に、キラリと光る良作があることもまた事実。

また、光る…とまではいかなくても、


「全体的にはくっだらないけど、あのシーンは面白かった」


「ダメ映画なんだけど、あのキャラは新鮮で良かった」


という作品もあります。

今年のベイスターズはとことん酷かったけど、カスティーヨは頑張ってたよね、みたいな楽しみがあるわけです。


もちろん、本当に褒めるところが見当たらない、時間の無駄、睡眠薬、と評されるような映画も多々あるのですが…。


しかし、失敗を恐れては前に進むことはできません。

ボクシングの前世界チャンピオン、長谷川穂積が敗戦の中から新たな力を得たように、クズ映画で無駄にした時間をその後の人生に活かすことは可能なのです(たぶん)。


前フリが無駄に長くなりましたが、今回チョイスした映画は、



横浜やさぐれブログ


『DAY-X 人類VSゾンビ最終戦争』



です。



最初に言っておきます。



本当におススメできない映画です(笑)。



最初に字幕スーパーの方で観始めたのですが、気がついたら寝てました


…しかしこれは、近所のプールで45分泳いで、それから自宅で夕食を摂り、コーヒーを飲みながら観たのが敗因かもしれません。

気を取り直して、最初からもう一度。


しかし、同じ字幕スーパーだとやはり前半部が飽きてしまうので、今度は吹き替え版で観ることにしました。


うん、これなら大丈夫なはず。


……。


………。


(@ ̄ρ ̄@)zzzz



ゴメンなさい、やっぱり眠いです(笑)。



オープニングはそれほど悪くなかったと思います。


全体的にしょぼいのは低予算だから仕方ありません。

しかし、始まってすぐにゾンビがわらわら登場してくれたので、その点では退屈はしませんでした。

問題は、主人公がゾンビの群れから難を逃れ、ある倉庫?に逃げ込んでからです。


まあ、ゾンビ映画で定番の『篭城モード』ですね。


ロメロ作品でも、ほぼ毎回恒例となっているシチュエーションと言えるでしょう。

ゾンビが登場しないシーンでどうやって観客を飽きさせないか、というのはゾンビ映画を作る上で非常に重要なポイントとなります。

(開き直ってゾンビを出し続ける、という選択肢もありますが)


これがもう…。


眠いのなんのって。


私の友人のF君は、映画の『バイオハザード』を


「2回観て2回とも同じ場面で寝る」


という荒業をしたことがありますが、きっとこの作品を観たら一生最後まで辿り着くことはできないでしょう



退屈な理由はただ一つ。



感情移入できるキャラクターがいないのです。


それは別に主人公である必要はありません。

ただ、観ている側の人間が、


「ああ、こいつ面白いな」

「この人は生き残って欲しいな」


と思える人物が一人でもいてくれれば良いのです。


また、感情移入とはちょっと違いますがゾンビ映画ですから、



「ダメだwww こいつは死ねwww」



というアホキャラクターや、「嫌な奴」でも構わないのです。

ロメロの『死霊のえじき』でいえば、ローズ大尉のような癖の強い(強すぎる)キャラクターが一人でもいてくれれば、こちらもその行く末を色々な意味で期待できるというもの。


しかし、鑑賞中ほとんどずーっとタバコを吸いっぱなしという究極の眠気対策で、どうにかこうにか後半まで観ていると…。



何だか凄いキャラクターが登場しました!


パッと見た感じは、10歳くらい?の普通の女の子です。

しかし実はこの少女、ゾンビウィルスの抗体を保有する少女なのです!


つまり、普通はゾンビに噛まれると感染してしまいゾンビになってしまうのですが、彼女は抗体があるので大丈夫、ということになります。

(深手を負ったら、出血多量で死ぬと思いますが)

しかも、ゾンビに噛まれた人間にも抗体を口移し?することでゾンビ化を防ぐことができます。


これは便利!

言ってみれば、ドラクエで『賢者の石』を手に入れたようなものですねっ!


さらにこの少女…。



ゾンビに噛みつくことで、抗体をゾンビに送り込み倒すこともできます!



…人間がゾンビに噛まれるシーンは山ほど観てきましたが、人間がゾンビに噛みついているシーンは初めて観ましたよ(笑)。

しかも噛まれたゾンビはあっさり死んでるし(笑)。


これは要するに、ファイナルファンタジーで「ケアル(回復の術)をアンデッドにかけたらダメージを与えられる」というのと同じ理屈なのでしょうか?


彼女さえいれば、もうゾンビも怖くありません!

そのままクライマックスまでレッツゴー!!



…だったはずなんですけどね(笑)。


もちろん、彼女がゾンビを全滅させてハッピーエンド、とはなりませんでした。


それはまあ、ある意味想定内の展開です。


「便利すぎる物や存在を、クライマックスまでに何らかのトラブルで失ってしまう」


というのは、ホラー映画のお約束でもありますからね。

しかしその展開が全くもって意味不明だと、『ご都合主義』とそしられても仕方ありません。


この少女、最後の脱出時に活躍するのですが…。

途中、なぜか主人公たちにはついていかずにゾンビの群れの中に単身で飛び込んでしまいます。

その行動に対する説明などが一切無いので、


「何が何やらわからないけど、彼女は死んだ」


という展開で、観ている側は完全に置いてけぼりにされます。

(正確に言えば、死んだかどうかも描写されませんが…)



ホントもう、誰か説明してくださいよ、という感じです(笑)。



そしてオチは、「あーあー、やっぱりね」という終わり方です。


『対ゾンビ究極兵器』ともいえる少女を登場させ、もしかしたら凄い映画なのかと思わせておいてこれかよ…といったところ。

これなら、民家の納屋から戦車が登場!というバカ全開の『新ゾンビ』の方がなんぼかマシでした。


ツッコミどころ満載の徹底的なバカ映画なら、それなりの楽しみ方もあったのですが…。

妙に生真面目な、それでいて至るところ手抜きだらけの作品です。


また、カメラの手ブレもひどいので、苦手な方は酔うかもしれません。


といったわけで、ありとあらゆる観点から全くおススメできないクズ映画でした。