深くて引力はあるけど、久々に疲れてキツい舞台でした。

カスパーという、人間社会から隔離されて育てられ、数年後には殺されてしまった男の実話を下敷きにした物語ですが、明確なストーリーはありませんでした。
登場人物もカスパー以外はよくわからない感じで、たぶんこれは「カスパーと外界の物語」ではなく、「カスパーの精神世界の物語」なんじゃないかと思いました。
また「人は人として生まれるのではなく、人になるのだ」とか、「単語としての『言葉』と言語としての『言葉』。言葉に対するある種の強迫観念」みたいなものも感じました。

最近よく観ているものと中身も客層も違いました。なので、小劇場特有ともいえる開演前の静かな期待に満ちた時間などは満喫できた気がします。

ミーハーな事を言えば、相変わらず殿(我が家では保村さんをそう呼ぶのです)は凄い人でした。
彼の芝居はいつもどこか狂気を孕んだような圧倒的な熱を感じるのですが、その魅力が遺憾なく発揮されていました。
それから、カスパーの舘形さんの動きとか、カスパーズの存在感の強弱とかも好きです。

笑えて泣けるエンターテイメント系の舞台をラノベとするなら、純文学というか日本名作文学全集みたいな感じだと思ってもらうとイメージしやすいかも。
積極的にお勧めはしませんが、フライヤーなどを観て感覚が合いそうなら一見の価値はあると思います。
ありかなしかで言うならありだと思うけど、心構えは必要かもしれない(笑)
全体的に面白かったし、女形も慣れちゃえば違和感ないし。
ただ、初っ端のインパクトで私は若干のけぞりました。

ストーリーは原作6巻までとの事ですが、ちょっと詰め込み過ぎて原作を知らない人(<私の事ですが)だと、混乱するかもしれません。

十二支の変身は予想の斜め上を行く感じで楽しいです。個人的に亥がかなりツボでした。

マイナスなのはスモークがキツい事、公演時間が長い事ですね。弱い人は要注意。
時間は休憩込みでだいたい三時間みておいたほうがいいです。登場人物が多くてそれぞれの見せ場をオムニバスにしてるみたいな感じなので、だれはしないものの細切れ感は否めない…。

個人的にライフに偏見があるので、初ライフな感想は次回に回します。

ただ、ぶっちゃけた話、約半額で入手したチケットだから満足だけど、定価購入だったらもっと評価は辛かっただろうなとは思います。
知らないなりにも手振りしたりコール&レスポンスに参加したりして、結構楽しかったです。

湯沢御大がもうステキすぎ。
キャラっぽい格好を!という事だったのでしょうが、変な柄(市販ではありえないのでお手製かも?)の帽子にサングラス、オレンジのもふもふを付けての登場でした。本当に期待を裏切らないお方です。
キャラ名を叫ぶ人が多いなか、思わずキャスト名で叫んじゃいました。

それと、高橋広樹さんはやっぱり凄い。
客席煽るのうまいし。
この方の何が一番凄いってキャラ声のまんま歌えることだと思う。ヒソカで菊丸でレインでスクアーロですが、どれを聞いてもそのキャラのトーンで本当に凄い。プロフェッショナルや…!

キャストの女の子ちゃんの一部に度肝を抜かれたり、更衣室とかクロークがないのにコスプレさんがぱらぱらいたりする(しかもそのまま帰る)のには苦笑いでしたけど。
まあ、若いしね。そんなもんなんだなぁと。

この手のイベントは原作を知らずに行くのは申し訳ないってことはよく分かったので次回は行かないと思いますたらーっ(汗)