※※※本編の内容・ネタバレを含んでいます。ご注意ください。※※※


みなさまこんばんは!
満です(*´꒳`*  )

フリーホラーゲームの「ベルとお菓子の家R」をクリアしたので感想です。

ベルとお菓子の家Rは、コチラのふりーむ!から無料でプレイできます
(PCのWindowsのみ対応)



プレイ時間は2~3時間。
エンド数は4つ。
周囲のものを調べつつ、要所要所でミニゲームをこなして物語のクリアを目指します。


物語の総時間はコンパクトながらも、意外性のある展開が繰り広げられて、登場人物の真実を知ってからの2周目はまた違う視点で見ることができて楽しかった。
頭半分がなかったり、逆に頭だけしかなかったりする魔女の被害者の子どもたちが登場する残酷な世界の中で、主人公・ハンスとお菓子の家に迷い込んだ少女ベルのどこまでも優しい関係性に和んだ。
寡黙なハンスだけど、人を助けるのに理由は要らないという考え方の持ち主なのがもうこの人根っからの善人なんだなと思うし、ベルを励ますために彼女のぬいぐるみ・ヒースを魔法で動かしていたと後で分かるのも良い。
ベルは容姿で友人からもなんと親からも疎まれ差別されているらしく、ラスト以外ではシルエットでしか登場しない。
でも、彼女の素顔はめっっっちゃめちゃ可愛いです。
一体何がどうして差別されているのか…。
赤い目は珍しいとは思うけどそれも綺麗だし、どこを取ってもvery cute。

そして、ハンスと妹・マルガレーテの関係性も深すぎて沼なんだよね。
ゲーム冒頭で、病気の妹を治す医者を探して家を離れたら妹が行方不明になっていたとモノローグがあるんだけど、途中で出てくる妹の幻影が幼い姿なのもあり、妹はベルと同じくらいの子なのかと思わせておいて、マルガレーテこそが現・お菓子の家の魔女になっていたという。
完全に作者の意図(たぶん)通り驚いた。
食人症で魔女と呼ばれた母親マリア・マグダレーネから生まれた双子。
ハンスとマルガレーテ。
マルガレーテは母と同じく、動物を殺し、人の肉を好んで食べる。
ハンスは甘いものしか食べられない偏食で、感性は真っ当で母の殺人を泣きながら止めていた。
母も妹も狂気的な家の中、ただひとり普通の人間として生きていたなんて、ハンスは一体どんな気持ちだったんだと色々考えてしまった。
もしかしたら、妹と共に食人を受け入れていればある意味楽だったのかもしれないが、そうならなかったのはハンスの強さかな。
どんな家でも、狂っていたとしても、世界にたったひとりの母、たったひとりの妹。
ハンスと離れている間に魔女として目覚めてしまったマルガレーテをハンスが包み込むのが悲しくも温かく、切なかった。
ハンスを食べるのは自分だ、と母を殺したマルガレーテは、歪んではいても彼女なりの愛情があると伝わってきてこれもまた切ない気持ちになったり悲しくなったり、そこまで長くはない物語の中で訴えかけてくるものがありました。
ふたりの双子の片割れに対する親愛は間違いなくあるから、もしそれが同じ形の愛情表現だったら、とてもとても幸福な結末だったのかな。

END4
マルガレーテを捜すことを諦めたハンスはお菓子の家を出る。
村で行方不明になっていた子供たちが死体で発見される。
ハンスも死因はわからないまま、眠るように亡くなっていた。
彼は安らかに眠れたのだろうか…。
というか、これってベルも死んじゃったってことだよね?
そんなの嫌だよ…。
ベルとハンス、ふたりとも生きて!くれ!

END3
"こちそう"になったベルの生首を見て、マルガレーテを止めるにはこれしかないとハンスは彼女を殺し、自分も自殺する。
母がマルガレーテに殺されたのも、マルガレーテが母を殺したのも、すべては自分がいたせいだと責めて死んでいくハンス気の毒だ…。

END2
マルガレーテとの"遊び"の中で、ハンスはベルの特徴を思い出せず見つけられなかった。
ハンスは覚醒☆してマルガレーテの幻影を追い払うが(ほんとにパープルの光?パワーガどわーっと出てた)、調理されたベルを見て発狂し、マルガレーテを殺す。
(このパワーが何なのかはEND1で判明した。)
彼はベルの生首を苦しげに両手で抱えたかと思うと、美味そうだと呟き、その首にキスをするのだった。
…って、ハンスさんー!?
ハンスも食人に目覚めちゃったよ…。
真面目に言うと、もう色々と限界だったんでしょうね。
心がボロボロになって壊れて、食人嗜好になって、生首のベルを喜んで受け入れることで、どうにかこうにか心を保っているのかもしれない。

END1
妹を治すためとはいえ何日間も一人きりにしてしまったと、ハンスはマルガレーテに謝り、その身体を抱き締める。
実はハンスは幼い頃、母マリアに鳥籠に閉じ込められて7日目に魔法に目覚めていたが、人間として行きたかったために隠していた。
魔女になったばかりのマルガレーテの力を上回って炎を起こし、大切な妹とお菓子の家と共に亡くなった。
と見せかけて、可愛らしいベルの素顔が見られるエンドロール後にふたりは無事、再会できたのでした。
めでたしめでたし。

あと思ったのが、ハンスがマルガレーテとこんなふうに過ごしたかったという理想を、ベルと共に過ごした時間で叶えられたんじゃないか。
基本的にはハンスが守りながらも、時には互いに励まし合い苦難を乗り越え、一緒にお菓子を食べる。
そういう絆を。
もちろんベルはベルとして見ていると思うんだけど、ハンスがベルを助けて守るように抱きしめた場面と、ラストのハンスがマルガレーテを抱きしめる場面を見たらそんな考えが浮かんだ。

もしかしたら、今はハンスはベルを妹のような存在として、ベルは初恋みたいな感情をハンスに持っているかもしれないけど、ベルが大人になったらハンスと恋愛展開になったりするのかなぁと思ったりしました。
とにもかくにも、最後が希望のあるハッピーエンドで一安心でした!