あんまりほめる話じゃないんですけどすいません。


某出版社の電子書籍印税が大幅に下がるという話が話題になっています。

去年ぐらいから電子書籍は数値的にも紙媒体を追い抜いている分野もあって、けっこうマンガ家ぬは死活問題なんですよねこれは。


個人的に気になってるのは、最近角川系列が行っている『作画の分業化』です。

最近の角川系列のマンガでは原作と絵を分業化する流れが増えています。これじたいは今までもあった話なんですけど。

今の分業化には特徴があります。
『おもしろいマンガ家をスカウトしてきて原作だけさせている』んです。

これはけっこう決定的な変革で『絵がヘタで、デビューできない』ことはあっても、編集側からそういうスカウトのされ方ってほとんど無かったんですよね。

ブログやTwitterなどネットコンテンツの書籍化や、ワンパンマンとかのシステムの延長線上のことだとは思うんですけど、これってメチャクチャ新しいことなんですよね。

ある種マンガ家という職業の聖域に踏み込んだ変革だと思うんすよね。
神聖で天才や超人がやっていく仕事だったわけですよ、日本のマンガ家って。
『マンガ家をスカウトしてネームだけ書かせる』って、その聖域に踏み込んだ部分だと思うんですよね。

角川がこれやってるのって、ものすごい影響力なんですよ。
読者が思ってるよりも出版社ってのは企業としては小さいものが多くて、システマチックに運営されてるわけじゃないし、各部署は連携してなかったりします。
でも角川ってのはグループ全体としてメチャクチャ大企業で、グループ企業内での関連度も高いです。
マジで今後はマンガ工場みたいな感じになるんじゃないかなと思います。
ちょっと今までの原作つきマンガと決定的な違う変化だと思っています。

マンガ家の力は弱くなる一方で、逆に原作者の力は強くなるかもしれませんね。そして原作者はネームや絵コンテ下書き書くところまでが仕事になるかもしれません。

マンガの分業に関してはいつか行われることだとはわかってましたけど、角川システムとなると、まつき監督騒動でも色々ありましたけど、やっぱりちょっと不安なんですよね…。

作家性やおもしろさ、働く人にとってよい方向に転べばよいけど角川だからなあ…。